怒鳴られて百済さんが離れていく。
正直言うと助かる。
あの人がいると正直、動きづらい。

「さて、やり合う前に名前を聞いておこうか。死んだ後に名前は聞けないからな」
「上から目線の発言ありがとうよ。だが、名乗る前に」

――よそ見していて、良いのか？

「カッ？」

怪異が首を傾げていた直後、背後から千佐那が小太刀を振るう。
振るった刃を怪異は刃で防いだ。
だが、衝撃を殺しきれなかったようでそのままファミレスの外に放り出される。

「あまり良くない手段だが、怪異相手に怪異をぶつける」
「その為に彼女も呼んだの？」
「まさか、雲川」

新城は僕にある道具を渡してくる。

「これを今から言う場所に設置してきてくれ」
「わ、わかった」
「てか」

外の激闘を見て、新城はぽつりと呟く。

「あの青鬼、圧倒できるんじゃないか？」