でも、こういう事を彼女が望んでいるのなら。

「いいよ」
「では、約束だ!」

嬉しそうに彼女は微笑んだ。
彼女の笑う姿は嫌いじゃない。
新城の忠告が頭を過ぎるけれど、僕はどうしても。

「この音は?」
「あぁ、ごめん。僕だ」

机の上に置いてあった携帯を手に取って電話にでる。

「もしもし?」

電話のやり取りを終えて彼女へ振り返る。

「ごめん。新城からの呼び出しだ」
「むぅ、これからでぇとについての話し合いがしたかったのだが」
「それは今度ね」

頬を膨らませながら僕に苦言をいう姿に可愛いなと感じながら荷物を用意して僕達は外に出た。







「遅かったな」
「あ、うん。準備に時間が掛かって……それより、新城、隣のそれは」
「気にするな。いや、もっとみて辱めてやれ」

待ち合わせのファミレス。
言われていたテーブル席に向かうと新城ともう一人がいた。
パクパクと美味しそうにパフェを味わっている新城。
その隣にいる女性の服装に僕はなんともいえない表情を浮かべていた。

「うぅ、どうして、どうして、こんなことに」

シクシクと涙を零しながら用意されたパフェをちびちびと食べるメイド服に兎耳をつけた女性。

「何でも頼んでいいぞ?コイツの財布から出すから」
「シクシク」

口からシクシクなんて言葉を言う人、本当にいるんだ。
対面に彼女と一緒に座る。

「お前様、肉はあるだろうか?」
「えっと、これとかどうだろう?」