「グググ!」

抑え込んでいる新城に抗おうと手足に力を込めていく。

「術が使えなくなった途端、脳筋行動か……陰陽塾の底が知れるなぁ」

溜息を吐きつつ、拳を握りしめる。

「このチビめ!こんなことをして只で――」

ニタァと女が見えない所で拳を握りしめる新城。
無自覚だろうが、この女は喧嘩を売った。
売られた喧嘩を新城は買う主義だ。

「お前が泣いて謝って意識改革するまで」

怒りで震えていた陰陽塾の女は自分が虎の尾、いや、踏んではいけないものを踏んでしまった事に気付く。

「殴ることを俺はやめない」