「なんだ?」
「親父殿から緊急の手紙を託された」

彼女はそういうと制服の胸元に手を入れる。

「ちょっ!?」

僕は慌てて視線を逸らす。

「どうした?お前様」

首を傾げながら尋ねられる。

「いや、男の前で胸元を広げないでよ」
「何を言う」

表情を変えずに彼女は言う。

「お前様の前以外で肌を見せることはしないぞ。見せるのはお前様だけだ」
「いちゃついているんじゃねぇよ」

どこからか取り出したハリセンで僕と彼女を叩く新城。

「痛いよ」
「いちゃついてんじゃねぇよ。鬱陶しいから、大事な事だから二回言うぞ」

冷めた目で僕を見てくる。
申し訳ない気持ちになってしまう。

「ンで?手紙か、拝見するぞ」

千佐那から手紙を受け取った新城は内容に目を通す。
内容を呼んでいくうちにだんだんと表情が険しくなっていた。

「どうしたの?凍真」
「厄介ごとだよ」

手紙を畳んで新城は僕をみる。

「もしやと思っていたが、俺の思っている状況より最悪だ」
「え、どゆこと?」
「千佐那」
「なんだ?新城凍真」
「お前、この手紙、読んだか?」
「いいや」

ふるふると首を振る。

「この手紙の内容によるとしばらく、お前、人間界にいるようにって書いているが宛あるのか?」
「む?」

新城の言葉にきょとんとしていた。

「え、それって、大変なんじゃ?」

瀬戸さんの言葉に新城は頷く。