***
宮近くんに、
腕を引かれるがままやって来たのは。
夏には存在しないハズの、
大きなクリスマスツリーに見えるもの。
「ぅ、宮近くん、これは.........?」
一応確認するかのように問いかけると。
「んー?見て分からない?
見ての通り、クリスマスツリーだよ」
「ぅ、やっぱりそうですか.........」
でも、なんでこんなところにツリーがあるの?
いまは、〝夏〟だよね?
普通は、〝冬〟がクリスマスなのに.........
「夏に、クリスマスツリー、
初めて見たでしょ、十波さんって」
キラキラの、クリスマスツリーの光を、
もろに、浴びながら言う宮近くん。