またこの小さな文字を見てしまった。
俺の手紙よりも小さな文字で沢山書いてあった。
できることならこれも俺が持っていたい。でも彼女はそれを望まないだろう。
1粒の涙が頬をつたって流れる。
彼女のせいでまた泣いてしまった。
そうか“その人”は浅山を指していたのか。
そして俺の愛する人は同性愛者だった。だから“男の人”を好きになれなかった。
でも俺に会って浅山を恋愛対象として見ることはなくなった。
複雑な気持ちだが俺に好いてくれていたことに間違いは無さそうだ。良かった。
やっと全てが繋がった。彼女が蒼と付き合った理由も分かった。やっと終わった。解決した。
彼女は俺がこの真相にたどり着いて嬉しいかな。
多分彼女なら
「おー?やっとたどり着いたねっ!遅いぞー」
なんて笑って言うんだろう。
これまでの日常に戻るにはまだまだ時間が必要だろうけど圭とも話せるようになりたい。まだ許すことは出来ない。だけど前に進もう。でも時々戻って彼女を思い出そう。
愛してやまない彼女を。

まだ遠い将来、もう1度君に会える日が来ることを祈る。

君を忘れない。