「好きです!付き合ってください!」
このセリフを臆せず言える人はこの世にどれだけいるんだろう。
少なくとも私は言えない。

“本当”に好きな人には。

「好きです!今、月野さんは俺の事なんて微塵も興味無いかもしれないけど!必ず興味もって貰えるように頑張るので付き合ってくれませんか!?」
耳までも赤くなっている顔。心配そうに私の顔をのぞく彼。
とても可愛らしい。
これがあの人と縁を切る理由になるのなら喜んで受けよう。
まだ恋愛感情は無いが。
「はい。喜んで。」
手馴れてしまった笑顔で笑う。
振られると思っていたのか驚いたような顔。
その顔を見たかった。
「え?え、え?いいの?マジ?」
さっきより顔を赤らめて戸惑っている。
あの人とは大違いで嘘の感情を顔に貼り付けることなんてしてない。
「え?嘘コクだったの?ショックだなあ。ちゃんと答えたのに。」
少し俯いて下から目線で彼を見上げる。これをアンタがやったら男子は落ちるって誰かが言ってたな。
「なわけない!!俺は、本気で月野さんが好きだ!!」
嬉しい。クラスメイトとしか見てなかった人からでも好きと言われて嫌な気はしない。
「そう?嬉しいな。あ、もうこんな時間だね。一緒に帰ろうよ。彼氏くん。」
彼より1歩前に出てふわりと振り向く。
ベタかもしれないけどこれくらいが良いんだろう。
私にはよく分からない。
はらはらと落ちていく桜が見守ってくれるこの学校から彼と一緒に出て彼をからかう。
その度に顔を赤らめてそっぽを向く彼を見てこの人なら。なんて思う。きっとそんなことはないのだろう。