夢を見た。
深い深い深海のようなものに俺は沈んでいた。息が出来なくて苦しい。肺から酸素が白い(あぶく)となり口から漏れ、海に消えていく。浮上しなければ死んでしまう。本能的に酸素を求め必死に藻掻いた。数秒後俺は生きる手を止めた。
頭上に広がるのは、真っ暗な暗闇。まるで世界の終わり。
嗚呼、助からないんだ。直感でそう思った。生きたいなんて足掻いても無駄だ、そう理解する他なかった。
酸欠で視界が欠けていく。ボロボロと深海が崩れていく。肺を満たした海水の痛みなんてもう分からない。瞼を落としかけたその時、僅かな光が見えたような気がした。それはとても小さく、弱く、けれど確かにそこで光っていた。
俺は最期の力を振り絞り、手を伸ばす。
意識が消えるのと同時に抱きしめたのは、青い宝石だった。