魔力枯渇を起こすと、体内で毒を生み出してしまうので、毒消し草が必要だって、リアが言っていたのに!

 大慌てで腰に吊るした包みから、毒消し草だと言って持たされた草を取り出すと、すり潰してリアの口へ。

 だが、意識が無いから取り込むことは出来ず……いや、迷っている暇はないっ!

「ディーネ! 少しだけ水をお願い」

「は、はいでち!」

 ディーネに出してもらった水をリアの口へ注ぎ込む。

「んっ……」

 リアの口が動いた!

 顔を離してリアの様子を見ていると、ゆっくりと緑色の瞳が開く。

「カイ君……あれ? お姉ちゃんは魔力枯渇で……」

「リア、良かった! 本当に良かった!」

 やった! リアの意識が戻った!

「まりょくがリアにわたされてるでち。もうだいじょうぶでち」

「リアちゃん……良かった。本当に良かった」

「カイ、良かったね! みんなで協力して頑張った甲斐があったよね」

 やっと安心できると、胸を撫でおろしていると、ディーネにノエル、カイが抱きついてくる。

「お兄ちゃん! リアさん……目覚めてるーっ! 良かったよぉぉぉっ!」

「カイ先生。リアさん、目を覚ましたんやな。ホンマに良かったわ」

 リアが目覚めて騒がしかったからか、少し離れていたメルとラヴィも近寄ってきて、抱きついてきた。

 そして……

「カイ君。また私を助けてくれたんだね」

 リアが俺を優しく抱きしめてくれて……俺は大切な人を失わずに済んだみたいだ。