……確かに。人が集まらなくて代わりに導入、とか。架空の人物だとしても会わない限りバレないし、バレそうだったらそのままアカウント削除してしまえば良いだけの話。相手が決まったとか、適当な理由はいくらでも見つかるはずだ。

「最近のAIって東大生並みの知能だとか言われてて、仕事とか勉強とかもサポート出来るんだって。会話のやり取りもだいぶ自然だから色々使われてるらしいよ。それでなんか、実際彼氏の代わりとして使ってる人とかいるらしくて」

「え! でも人じゃないんでしょ? 意味ある?」

「ね。でも、あるんだって。誰かに優しい言葉をもらいたい時、AIは今までのやり取りから学習して丁度一番欲しい言葉をくれるんだって。まるで今回のケイタさんみたいに」

「!」

 まさか……いや、そんな。

「……なんてね。さすがに考えすぎか。だって次会う約束してるんだもんね」

「……うん。まぁそうなればと思うけど……」

 そこで私の話は終わり、それからは彼女の近況の話をしたり、次会うお店と日程を決めたり、いつも通りの流れを経て、彼女との女子会はお開きになった。


 帰宅後。なんだか疲れてしまい、鞄を放り投げてベッドにダイブした。帰りの電車に揺られている間に気になったので調べてみたら、どうやら彼氏の代わりをするAIを、AI彼氏と呼ぶらしい。本当に存在するなんて。

 ——AI彼氏説、ある?

 い、いやいやそんな! そんなばかな!