だからケイタさんは正しい! 私なら彼の気持ちが分かってあげられる!と、ついヒートアップする。するとそんな私に、彼女はまぁ落ち着いてと飲み物を勧めてきたので、仕方なく黙って一口飲んだ。ピンクの可愛いいちごラテが甘く心に染み渡るとなんだかほっとして、熱くなった頭が冷めていくのが分かった。
私が落ち着いたのを見計らって、彼女も同じように自分のコーヒーを飲む。一口啜りながら、うーんと、なにやら考えている様子だった。
「運命の人に出会えるっていうのがキャッチコピーのアプリだとしても、初対面の相手にそんな事いうのかな……しかも相手が桜でしょ? ピンポイントな言葉で接触してきてるみたい。なんか、桜の今までのやり取りを知ってるみたいな」
「……つまり何? ケイタさんは運営側と繋がってる人で、私の今までのやり取りの履歴を知った上で、何らかの理由があって接触して来たって事?」
「うーん……まぁ、ケイタさんがサクラだったって事もあるかもしれないけど……知ってる? 最近AIと話せるアプリとかあるの」
「……は?」
急になんだと、思わず強めの声が出てしまった。いやまさか、ケイタさんがそのAIだって言いたいのか。さすがにぶっ飛びすぎてはいないだろうか。
「いや、私もさすがにって思うんだけど、最近婚活仲間に聞いたんだよね。人だと思ったらAIだったって話。人間の振りして紛れてるらしいよ」
「えぇ? 何の為に?」
「人件費削減だよ。色んな企業でも取り入れられてるでしょ? それと同じ。もしこのアプリでサクラとして人を雇う事を考えた時、それが一つのAIの導入で済んだらきっと助かるでしょ?」
「……」