“ケイタさん、はじめまして。フォロー申請とメッセージありがとうございます。私はずっと運命の人を探しています。あなたは私の運命の人になってくれますか?”
ドキドキ、ドキドキ。待ってる時間がとてつもなく長く感じた。スマホを握りしめて画面を食い入る様に見る。すると、ピコンと、すぐに返ってきた返事。
“ぜひ、そうなれたらなと思います”
「! わっ、やっ、」
やったーーー!
心の中で大きなガッツポーズを決めて、ぎゅっと思わずスマホを抱きしめたまま、ベッドにダイブ。寝転んだままばたばたとばた足をする私の心はすっかり十代の少女で、こんなに嬉しいのはいつぶりだろうと思った。青春真っ只中の脳内からは、先程の嫌な気持ちは綺麗さっぱり吹き飛んでいた。
彼の名前はケイタさん。年齢は私と同じ。プロフィール画像は顔を隠す様に映っていたけれど、どことなく雰囲気のある感じがまた魅力的だった。
最近は加工した画像で堂々と顔を晒しているのが当たり前だったから、加工無し派の私としてはそこにも好感が持てた。顔に重きを置かない人って事かな、みたいな。
ケイタさんからの返事はそんなに早くなかったけれど、まめに送ってくるより待ってる時間が楽しいから良いかな、とか。その分仕事を頑張ってる人って事だよね? 仕事の出来る人って素敵、とか。
毎日の何気ないやり取りの中で、彼が私の運命の人説はどんどん濃厚になっていく。