勝手に待ちぼうけ同士の仲間意識を持っていたから、彼が居なくなってしまった事で一気に寂しくなってしまった。心の支えが無くなってしまった、そんな感じ。……私も帰ろうかな。
悩んだけれど、結局そのまま帰宅する事にした。買い物したりお茶したりして連絡がつくまで時間を潰す手もあったけれど、落ち込んでしまってそんな気分にはなれなかったから。
家に着くと玄関にある全身鏡に自分が写る。綺麗に着飾った分だけ、心は虚しかった。
——その夜。ケイタさんからメッセージが届いた。
“今日はごめんね。連絡出来なくて”
「……」
連絡出来なくてって事は、連絡をくれるつもりがあったのに出来なかったって事?
それとも、急用が入って来れなくなったけど、それを伝える手段が無かったって事?
“大丈夫だよ。すぐに帰ったから。何かあったの?”
“仕事の連絡が来て。スマホも忘れたまま家を出ちゃってて……。本当にごめんね”
「……」
そんな事、あるだろうか。ギリギリまで連絡取れてたのに?
——『なんか、怪しくない?』
彼女の言葉が、ふと頭を過ぎる。