朝早くに外の騒がしさに目が覚めると、隣の布団の中から俺を見つめる視線を感じる。
「フィリア!? お、おはよう」
「ふふっ、おはよう~ソラ」
カーテンが閉まっていて、暗めの部屋でもフィリアの美しい金髪と金色の瞳は光り輝いている。
「えっと、ソラ、一つ聞いていいかな?」
「いいよ?」
「えっと…………昨夜はご満足……頂けましたか?」
ふぃ、フィリアさん!? 一体何を聞いてくださるので!?
「ま、満足どころか大満足だよ! そ、それに…………」
「それに?」
「フィリアのような可愛い子がずっと俺の隣にいてくれるんだから、それだけでとても幸せだよ」
少し恥ずかしそうに「えへへ~」と笑うフィリアに、俺はもう一度恋をする。
お互いに愛を確かめ合った今だからこそ、彼女がとても愛おしい。
その時、俺は一つある事を思い付いた。
ずっと胸の奥に仕舞いこんでいたものを。
「フィリア、大事な話があるんだ」
「うん?」
「その――――――この戦いが終わったら、魔女王様に会いに行く前に―――――」
俺は緊張で高鳴る胸を必死に押し殺して続きを話した。
「俺と結婚してください」
表情が固まったフィリアは数秒全く動かない。
その刹那の時間が果てしなく長く感じる。
しかし、その返事は俺が想像していたモノとは全く違うモノだった。
何も話さず、彼女は固まった表情のままで、大きな瞳から大粒の涙を流し始めた。
「ふぃ、フィリア!?」
ただ茫然とした表情のまま、涙を流し続ける。
俺は思わず彼女を抱きしめる。
「ご、ごめん! 俺なんかが――――」
「ソラ…………」
「う、うん!」
「私なんかで……いいの?」
いつも俺の事となると、強気になる彼女なのに、こんなに力がない姿は初めてみる。
「フィリアがいい。フィリアじゃないとダメなんだ。これまでのように、これからもずっと俺と一緒にいて欲しい」
「…………うん。私……孤児だから、ソラの奥さんになれるなんて……信じられなくて……」
俺が嫌いで涙を流した訳ではない事に安堵しつつ、彼女の気持ちにもっと寄り添うべきだったと反省する。
未だ世界の孤児は地位が低い。
『銀朱の蒼穹』のメンバーの殆どが孤児でもあり、『銀朱の蒼穹』のメンバーとなっている事もあっても、孤児だと知られると今でもそのような目で見られる。
「フィリア。俺は身分とか地位とかそういうのは全く気にしないんだ。フィリアも他のメンバー達も、みんなが孤児だったとしても、僕の大切な仲間で、家族だと思ってるよ。だから、これから俺の奥さんとして、みんなと一緒に歩いて欲しい」
「……うん。ソラ。ありがとう」
「いや! むしろ受けてくれてありがとう!」
ずっと弱々しかったフィリアが、俺を強く抱きしめた。
「フィリア!? お、おはよう」
「ふふっ、おはよう~ソラ」
カーテンが閉まっていて、暗めの部屋でもフィリアの美しい金髪と金色の瞳は光り輝いている。
「えっと、ソラ、一つ聞いていいかな?」
「いいよ?」
「えっと…………昨夜はご満足……頂けましたか?」
ふぃ、フィリアさん!? 一体何を聞いてくださるので!?
「ま、満足どころか大満足だよ! そ、それに…………」
「それに?」
「フィリアのような可愛い子がずっと俺の隣にいてくれるんだから、それだけでとても幸せだよ」
少し恥ずかしそうに「えへへ~」と笑うフィリアに、俺はもう一度恋をする。
お互いに愛を確かめ合った今だからこそ、彼女がとても愛おしい。
その時、俺は一つある事を思い付いた。
ずっと胸の奥に仕舞いこんでいたものを。
「フィリア、大事な話があるんだ」
「うん?」
「その――――――この戦いが終わったら、魔女王様に会いに行く前に―――――」
俺は緊張で高鳴る胸を必死に押し殺して続きを話した。
「俺と結婚してください」
表情が固まったフィリアは数秒全く動かない。
その刹那の時間が果てしなく長く感じる。
しかし、その返事は俺が想像していたモノとは全く違うモノだった。
何も話さず、彼女は固まった表情のままで、大きな瞳から大粒の涙を流し始めた。
「ふぃ、フィリア!?」
ただ茫然とした表情のまま、涙を流し続ける。
俺は思わず彼女を抱きしめる。
「ご、ごめん! 俺なんかが――――」
「ソラ…………」
「う、うん!」
「私なんかで……いいの?」
いつも俺の事となると、強気になる彼女なのに、こんなに力がない姿は初めてみる。
「フィリアがいい。フィリアじゃないとダメなんだ。これまでのように、これからもずっと俺と一緒にいて欲しい」
「…………うん。私……孤児だから、ソラの奥さんになれるなんて……信じられなくて……」
俺が嫌いで涙を流した訳ではない事に安堵しつつ、彼女の気持ちにもっと寄り添うべきだったと反省する。
未だ世界の孤児は地位が低い。
『銀朱の蒼穹』のメンバーの殆どが孤児でもあり、『銀朱の蒼穹』のメンバーとなっている事もあっても、孤児だと知られると今でもそのような目で見られる。
「フィリア。俺は身分とか地位とかそういうのは全く気にしないんだ。フィリアも他のメンバー達も、みんなが孤児だったとしても、僕の大切な仲間で、家族だと思ってるよ。だから、これから俺の奥さんとして、みんなと一緒に歩いて欲しい」
「……うん。ソラ。ありがとう」
「いや! むしろ受けてくれてありがとう!」
ずっと弱々しかったフィリアが、俺を強く抱きしめた。