「怒っていたけれど?」
「俺を侮辱したからな。侮辱する奴は容赦しない」

身体的特徴を貶される事が大嫌いな新城はそこだけに怒っていたらしい。
「新城が噂になっていることは驚いたよ」
「噂は噂だ……けれど、噂は面倒だからな」

追い付いて隣の新城をみると顔を顰めていた。

「嫌そうだね」
「噂は禄でもないものを呼び寄せるからな」

この時の新城の言葉の意味を僕は中途半端にしか理解していなかった。
噂が引き起こす新たな怪異が僕達に襲い掛かるなんて。
この時は夢にも思わなかった。