――お前に地獄の苦しみを味あわせてやる。
彼の言葉の意味を考えようとした瞬間。
「あ」
体に走る激痛に膝をつく。
ポタポタと目、口、鼻からどす黒い血が零れる。
「あ、あれ、これは、一体」
「意外と早く効果が出たな」
突然の事に戸惑う彼女へ新城は袖の中に隠していた筒状の道具をみせる。
「吹き矢……もしかして」
「さっき撃ち込ませてもらった」
吹き矢の筒を左右に動かす。
志我一衣と対峙する直前、彼女の首筋へあるものを撃ち込んだ。
一瞬の痛みしか感じないように術が施されていた。
彼女は気づくことが遅れてしまう。
「これは、一体、ぐぅ」
「怪異になって良い事だらけみたいにお前は語るけれど、触覚や色んな所が鈍くなって弱い弱いと侮っている人間にこうやって足元を掬われる」
膝をついている彼女を見下ろす。
いつもと変わらぬ表情をしているが片目は燃えていると錯覚してしまう程の怒りの感情を宿している。
「お前に打ち込んだのは地獄の針と言われているものだ」
「針山地獄に生えているといわれる針?……そんなものをどうやって入手したんですか」
驚きを隠せないのか限界まで目を見開いている。
「入手経路について教えない~。普通の人間なら激痛で発狂してもおかしくはないんだが、腐っても怪異、痛みで動けなくなる程度か」
「どうして…………」
「三つ、お前はやったら許されないことをした」
「許されない、こと?」
「一つ、怪異をおもちゃのように扱った事、俺、そういう奴、大嫌いなんだよ。二つ目、俺の縄張りで好き勝手している事、人によっては入られて欲しくない領域ってあるだろう?」
指を二つ降り、そのタイミングで志我一衣へ顔を近づける。
「三つ目、俺の大事な相棒にちょっかいかけんじゃねぇよ」
新城凍真から放たれた殺意にごくりと志我一衣は唾を飲み込む。
怪異になってから様々な殺意を向けられてきた。
しかし、本能的に彼女が怯えてしまうほどの殺意は初めて。
そんな殺意に――。
彼の言葉の意味を考えようとした瞬間。
「あ」
体に走る激痛に膝をつく。
ポタポタと目、口、鼻からどす黒い血が零れる。
「あ、あれ、これは、一体」
「意外と早く効果が出たな」
突然の事に戸惑う彼女へ新城は袖の中に隠していた筒状の道具をみせる。
「吹き矢……もしかして」
「さっき撃ち込ませてもらった」
吹き矢の筒を左右に動かす。
志我一衣と対峙する直前、彼女の首筋へあるものを撃ち込んだ。
一瞬の痛みしか感じないように術が施されていた。
彼女は気づくことが遅れてしまう。
「これは、一体、ぐぅ」
「怪異になって良い事だらけみたいにお前は語るけれど、触覚や色んな所が鈍くなって弱い弱いと侮っている人間にこうやって足元を掬われる」
膝をついている彼女を見下ろす。
いつもと変わらぬ表情をしているが片目は燃えていると錯覚してしまう程の怒りの感情を宿している。
「お前に打ち込んだのは地獄の針と言われているものだ」
「針山地獄に生えているといわれる針?……そんなものをどうやって入手したんですか」
驚きを隠せないのか限界まで目を見開いている。
「入手経路について教えない~。普通の人間なら激痛で発狂してもおかしくはないんだが、腐っても怪異、痛みで動けなくなる程度か」
「どうして…………」
「三つ、お前はやったら許されないことをした」
「許されない、こと?」
「一つ、怪異をおもちゃのように扱った事、俺、そういう奴、大嫌いなんだよ。二つ目、俺の縄張りで好き勝手している事、人によっては入られて欲しくない領域ってあるだろう?」
指を二つ降り、そのタイミングで志我一衣へ顔を近づける。
「三つ目、俺の大事な相棒にちょっかいかけんじゃねぇよ」
新城凍真から放たれた殺意にごくりと志我一衣は唾を飲み込む。
怪異になってから様々な殺意を向けられてきた。
しかし、本能的に彼女が怯えてしまうほどの殺意は初めて。
そんな殺意に――。