「あぁ、わかった。お前は嫌いだ。ここで消すよ。そうして、ジョージ君を」
「悪いけど、それはできないよ」
僕は千佐那から離れるとノンちゃんの方へ向かう。
「あはぁ」
嬉しそうに僕がやってくることがわかるとサバイバルナイフを振り上げる。
「無理だよ。キミのナイフは僕を殺せない」
彼女の振り下ろしたサバイバルナイフは視えない壁に阻まれたみたいに途中で動かなくなった。
「は、なんで、どうして」
「僕の仲間が電子言霊でキミの存在を書き換えたんだ」
「書き換えた?」
「都市伝説怪異ジャックの力を弱体化させた。今のキミに僕を殺す力はない」
新城や瀬戸さんがやっていた事が効果を発揮した。
電子言霊を使って都市伝説怪異ジャックの存在を書き換える。
普通ならそんなことはできないけれど、新城曰く力を発揮している掲示板に同じくらい強い電子言霊をぶつければ、存在を上書き修正できるという事。
「くそっ、くそっくそっ、あぁ、なんで、どうして!!」
「ノンちゃん、この鏃を使えば、キミは人間に戻れるんだ」
「……は?」
「キミは無理やり怪異にされたんでしょ?これを使えば」
「違う、それは違うよ。ジョージ君」
僕がみせる鏃をみて首を振るノンちゃん。
「え?」
「わたしは自分から進んで怪異になったのさ」
「それは、どういう」
「性質の悪いファンの嫌がらせが始まった時……何もかも嫌になったわたしはアイドルの世界から逃げた。好き勝手に言うファン、助けてくれない大人達、何もかも嫌になった。その時に人間という存在がどうしようもないくらい嫌になった。深い絶望の中にいたわたしの前にあの人は手を差し伸べてくれた」
その人がノンちゃんに怪異になる事を勧めてきたらしい。
人に絶望していた彼女はその提案を受け入れた。
「でもまぁ、色々なところで厄介なことが重なって怪異になる事を失敗して、気付いたらジョージ君と出会った。ジョージ君と一緒にいた時間はとても楽しかった。でも、奴らは邪魔をしてきた。こんな世界に未練なんてないね。だからわたしは怪異になった。そう、キミを永遠にわたしの中に閉じ込める為に!!」
纏っているローブを広げて僕を包み込もうとしてくる。
「悪いけど、それはできないよ」
僕は千佐那から離れるとノンちゃんの方へ向かう。
「あはぁ」
嬉しそうに僕がやってくることがわかるとサバイバルナイフを振り上げる。
「無理だよ。キミのナイフは僕を殺せない」
彼女の振り下ろしたサバイバルナイフは視えない壁に阻まれたみたいに途中で動かなくなった。
「は、なんで、どうして」
「僕の仲間が電子言霊でキミの存在を書き換えたんだ」
「書き換えた?」
「都市伝説怪異ジャックの力を弱体化させた。今のキミに僕を殺す力はない」
新城や瀬戸さんがやっていた事が効果を発揮した。
電子言霊を使って都市伝説怪異ジャックの存在を書き換える。
普通ならそんなことはできないけれど、新城曰く力を発揮している掲示板に同じくらい強い電子言霊をぶつければ、存在を上書き修正できるという事。
「くそっ、くそっくそっ、あぁ、なんで、どうして!!」
「ノンちゃん、この鏃を使えば、キミは人間に戻れるんだ」
「……は?」
「キミは無理やり怪異にされたんでしょ?これを使えば」
「違う、それは違うよ。ジョージ君」
僕がみせる鏃をみて首を振るノンちゃん。
「え?」
「わたしは自分から進んで怪異になったのさ」
「それは、どういう」
「性質の悪いファンの嫌がらせが始まった時……何もかも嫌になったわたしはアイドルの世界から逃げた。好き勝手に言うファン、助けてくれない大人達、何もかも嫌になった。その時に人間という存在がどうしようもないくらい嫌になった。深い絶望の中にいたわたしの前にあの人は手を差し伸べてくれた」
その人がノンちゃんに怪異になる事を勧めてきたらしい。
人に絶望していた彼女はその提案を受け入れた。
「でもまぁ、色々なところで厄介なことが重なって怪異になる事を失敗して、気付いたらジョージ君と出会った。ジョージ君と一緒にいた時間はとても楽しかった。でも、奴らは邪魔をしてきた。こんな世界に未練なんてないね。だからわたしは怪異になった。そう、キミを永遠にわたしの中に閉じ込める為に!!」
纏っているローブを広げて僕を包み込もうとしてくる。