長谷川は両手で顔を叩いて立ち上がる。
「何をすればいい?」
「この遺体の身元、後は周辺で女性、もしくは中性的な存在がうろついていなかったか調べてくれ」
「わかった……って、早速、お出ましか」
ビニールシートがめくられてそこから二人の女性がやってくる。
作務衣を改造した服を纏い、流れるような髪は二人とも全く同じもの。
唯一、違いがあるとすれば一人の片目に泣きホクロがあるくらいだろう。
浅倉が威圧を放ちながら賭けようとした。
「おい、浅倉、やめろ、マジでやめろ!」
「アァン?部外者が入ってくるんだぞ!止めるに」
「アホ!C案件だとわかったんだ。陰陽塾から来たんだよ」
「あぁ!?そんなこと知るかよ!見た所、ガキだし、そんな連中が」
「うるさい、うるさい!誰か!外につまみ出してくれ!」
暴れる浅倉を止めながら周りに呼びかける。
黒いスーツの人達が浅倉に飛び掛かって外に連れ出していく。
残されたのは呼吸の乱れた長谷川とやってきた陰陽塾の二人。
そして、新城凍真。
「「ごきげんよう」」
「お二人は陰陽塾から?」
「「えぇ、都市伝説怪異が現れたという連絡を受けまして」」
「見た目で祓い屋達を判断してはいけないと聞いているが、キミ達みたいな若い子達で対応できるのか?」
「えぇ、勿論」
「私達は陰陽塾で修行を積んだ者達です。祓い屋や退魔師を名乗る連中よりも実力はあります」
断言する二人の姿に新城は笑いそうになるのを堪える。
「「あら?」」
二人は少し離れた所にいる新城凍真に気付いた。
「失礼、貴方、新城凍真ですか?」
「だったら?」
「お、おい、新城」
敵意むき出しの新城に長谷川は焦る。
陰陽塾の連中に対して新城は良い感情を抱いていない。
「お噂はかねがね色んな怪異を相手にしてきているとか」
「でも、今回は身を引いてください。今回は都市伝説怪異、フリーランスの祓い屋が手を出して良い案件ではありません」
見下したような、否、実際に見下した態度で接してくる二人に新城は内心、怒りを抱きながらも冷静に対応した。
「そうかい、まぁ、アンタらが無事に都市伝説怪異を対処できるなら問題はないさ。じゃあ、長谷川、俺はこれで」
これ以上、二人の相手はしたくない。
新城は足早に現場を離れることにした。
「チッ」
『苛立っているの?』
耳元で囁く声。
『あの子達、同じ顔をしていたけれど、随分と生意気な態度』
姿は見えない。
だが、声の主はコレクター。
『私が殺して、あげようかぁ?』
「黙れよ」
いつも以上に低い声が新城の口から零れる。
笑っていた筈の声がピタリと止まった。
しかし、新城の目はそこにいない筈のコレクターを捉えている。
「俺の心が乱れていると思ったか?全然、違う」
通行人が奇異の視線を向けてくる中で新城の目はギラギラしている。
「むしろ、やる気にあふれているぜ。陰陽塾が来ているからじゃない。ここまで人を傷つける最低な怪異を俺は許さないからな。あぁ、コレクターさんよ」
――今の俺は最高にギラギラしているから、覚悟しろよ。
「何をすればいい?」
「この遺体の身元、後は周辺で女性、もしくは中性的な存在がうろついていなかったか調べてくれ」
「わかった……って、早速、お出ましか」
ビニールシートがめくられてそこから二人の女性がやってくる。
作務衣を改造した服を纏い、流れるような髪は二人とも全く同じもの。
唯一、違いがあるとすれば一人の片目に泣きホクロがあるくらいだろう。
浅倉が威圧を放ちながら賭けようとした。
「おい、浅倉、やめろ、マジでやめろ!」
「アァン?部外者が入ってくるんだぞ!止めるに」
「アホ!C案件だとわかったんだ。陰陽塾から来たんだよ」
「あぁ!?そんなこと知るかよ!見た所、ガキだし、そんな連中が」
「うるさい、うるさい!誰か!外につまみ出してくれ!」
暴れる浅倉を止めながら周りに呼びかける。
黒いスーツの人達が浅倉に飛び掛かって外に連れ出していく。
残されたのは呼吸の乱れた長谷川とやってきた陰陽塾の二人。
そして、新城凍真。
「「ごきげんよう」」
「お二人は陰陽塾から?」
「「えぇ、都市伝説怪異が現れたという連絡を受けまして」」
「見た目で祓い屋達を判断してはいけないと聞いているが、キミ達みたいな若い子達で対応できるのか?」
「えぇ、勿論」
「私達は陰陽塾で修行を積んだ者達です。祓い屋や退魔師を名乗る連中よりも実力はあります」
断言する二人の姿に新城は笑いそうになるのを堪える。
「「あら?」」
二人は少し離れた所にいる新城凍真に気付いた。
「失礼、貴方、新城凍真ですか?」
「だったら?」
「お、おい、新城」
敵意むき出しの新城に長谷川は焦る。
陰陽塾の連中に対して新城は良い感情を抱いていない。
「お噂はかねがね色んな怪異を相手にしてきているとか」
「でも、今回は身を引いてください。今回は都市伝説怪異、フリーランスの祓い屋が手を出して良い案件ではありません」
見下したような、否、実際に見下した態度で接してくる二人に新城は内心、怒りを抱きながらも冷静に対応した。
「そうかい、まぁ、アンタらが無事に都市伝説怪異を対処できるなら問題はないさ。じゃあ、長谷川、俺はこれで」
これ以上、二人の相手はしたくない。
新城は足早に現場を離れることにした。
「チッ」
『苛立っているの?』
耳元で囁く声。
『あの子達、同じ顔をしていたけれど、随分と生意気な態度』
姿は見えない。
だが、声の主はコレクター。
『私が殺して、あげようかぁ?』
「黙れよ」
いつも以上に低い声が新城の口から零れる。
笑っていた筈の声がピタリと止まった。
しかし、新城の目はそこにいない筈のコレクターを捉えている。
「俺の心が乱れていると思ったか?全然、違う」
通行人が奇異の視線を向けてくる中で新城の目はギラギラしている。
「むしろ、やる気にあふれているぜ。陰陽塾が来ているからじゃない。ここまで人を傷つける最低な怪異を俺は許さないからな。あぁ、コレクターさんよ」
――今の俺は最高にギラギラしているから、覚悟しろよ。