「うん、いいよ。雲川君の知り合いだから問題ないだろうし、オーケーしよう。あ、部外者がいると騒ぎになるから制服貸し出してあげるからそれ着て移動してね!」
「はーい!」
「……わかってはいたけれど、あっさり許可がおりるんですね」
「面白そうだからね」

ニコニコと笑顔を浮かべる工藤先生になんともいえない表情を僕は浮かべているだろう。
大雑把な部分はあるけれど、視ているところはみている人。

「ジョージ君、とっても良い人だね!」
「うん、とても良い人だ」




「じゃあ、着替えてくるね!」

工藤先生から貸してもらった制服を抱えてノンちゃんは近くの更衣室へ入っていく。

「……雲川!」

入った更衣室が気になって戻ろうとしたところで瀬戸さんが反対側の通路からやってくる。

「ねぇ、凍真は!」
「お休みだって」
「そうなの!?色々と体育祭の事聞いておきたかったのに!」

驚いている瀬戸さん。

「はぁ、ストレス発散に付き合ってほしいなぁ……」
「ストレスって」
「だってぇ、一学期の時の騒動が嘘みたいに接してくる男子が後を絶たないんだよ!?面倒過ぎる!」

怒り心頭って様子で僕に愚痴を吐いてくる。
瀬戸さんもストレス溜まっているんだなぁ。

「男性から色々とアプローチしてくるのはそうだろうけれど、女性の方は大丈夫なの?」
「まぁ、そこは色々と凍真から教え込まれて頑張っていますから」

握り拳を作って笑顔を見せる。
瀬戸さんは前に怪異から命を狙われていた。
その原因が異性、同性の人間関係という点があった。新城はそこの問題を解決の為、色々と教え込んでいたな。

「そういえば、アンタはここで何を」
「おーい、ジョージ君~~!」

後ろから僕を呼ぶのはノンちゃんだ。