顔を顰めながらずんずんと歩いていく新城。
事情を説明してくれないのは何かあるんだろう。
僕は僕のやるべきことをやるのみだ。

「時間は追ってメールする。体育祭の行事関係は手を抜け、夜に、状況によっては命に関わる案件に首を突っ込むことになるかもしれない」
「わかった」

そういうと曲がり角で僕達は一時、解散する。
新城は文化祭の準備。
僕は体育祭のリレーの練習だ。



















夜。

怪異という存在は日中よりも、夜、真夜中にその存在を現す事が多い。
日中に存在する怪異も強大な力を持っているが、真夜中に登場する怪異も強大な存在がいる。
そんな怪異を祓う仕事を営んでいる、いわゆる祓い屋を営んでいる新城の手伝いを僕はしている。
一度、解散で夜に集合ということだったから僕は私服姿で待ち合わせ場所の駅で新城を待っていた。

「時間通りだな」

私服姿の新城がやってくる。

「それで、僕は何をすればいいの?」
「仕事熱心なのは良い事だが、今回は悪いがマジで気を引き締めてもらうぞ」
「怪異関係だという事はわかるけれど……新城が言うほど警戒しないといけない相手なの?」
「そうだな、時間に少し余裕があるから説明しておくか」

自販機で飲み物を購入して僕達はベンチに腰掛ける。

「まず食堂で女子生徒に何にもないと言ったがあれは嘘だ」
「じゃあ、彼女は怪異に狙われているの?」
「少しはどうして嘘をついたとか、まぁ、楽に話を進められるから良い訳だが」

僕の前で呆れながらため息を零す新城。

「結論から言うと怪異に狙われている。ほぼ百パーセントコレクターだろう」
「えっと、質問。コレクターって何?」
「変なところで鋭かったり、疎かったり……じゃあ、都市伝説はしっているか?」
「名前程度だけど」

新城が都市伝説について僕を説明してくれる。