少し廊下を歩いたところで、ふと冷静になった。
……もしかしたら俺、かなりヤバいことやらかしたんじゃないか……?
秋汰が悪く言われたり、泣きそうになってたとはいえ……あんなことするんじゃなかった。と後悔が押し寄せた。
「マジでごめん」
立ち止まってすぐに謝ると、秋汰は振り返って微笑んだ。
「ええねん、花乃ちゃんもあれで諦めたやろ」
「……まさかお前ガチで嫉妬してたわけ?」
「だって、あんなん言われたら……あっち行くかもって思うやん……」
秋汰は眉を下げて寂しげに呟いた。
そんなんだけですぐ乗り換えるわけねぇだろ……
ってか、そんなこと言ったら俺だって……遊びかと思ってたし。
「この前はごめんな、つむ……。でも、ホンマに好きやから……」
「もう分かったから。ありがとな」
そして俺らは、二人で屋台をまわって時間を潰した。
ダーツの景品で貰ったうさぎのぬいぐるみを秋汰に渡すと、これ以上ないくらい喜んで写真を撮ってた。
「あれ、津村くん! もうすぐカップルコンテストのショーでしょ?」
クレープを食べていると、三ツ矢さんがこちらに駆け寄ってきた。
やば……すっかり忘れてた。十二時からだっけ?
もう決まったこととはいえ……秋汰、大丈夫か……?
「……わかった」
三ツ矢さんにそう返事すると、秋汰は不安げな表情を見せた。
今更断れないとはいえ……そりゃいい気はしないだろうな。
あんまり俺は嫉妬とかしないタイプだけど、逆の立場だったらさすがに嫌だ。
「秋汰、行ってくる」
秋汰の頭を軽く撫でると、俺は教室を出た。