〜そして現在 side魁〜
夏休み前最終日ということで、今日は午前中だけで下校出来るみたいだった。
とはいえ、夏休み終わったらすぐに文化祭があるらしく、俺らは準備のために何日か登校しないといけないらしい。
そして、今からクラスで何をやるか話し合うようで、クラス委員の三ツ矢さんは黒板に文字を書き始めた。
黒板に大きく書かれた二つの議題”クラスの出し物について”と”カップルコンテストについて”という文字。
去年高熱で文化祭を休んだ俺は、初めて見るカップルコンテストというものに疑問を感じた。
「じゃあ、まず……カップルコンテストの出場者から決めましょう!」
恋バナ大好きな三ツ矢さんは、キラキラした表情で盛り上がっていた。
「去年に引き続き、優勝賞金が貰えます! 出たい人挙手してください!」
学校の文化祭レベルのコンテストで賞金出んのかよ……すげぇ気合い入ってんな……
そんなことを思っていると、一人の女子が”待ってました”とばかりに手を挙げた。
「花乃ちゃんがいいと思います!」
その意見に皆、同調しているのか、賛同の声がちらほら聞こえてくる。
「花乃ちゃんはどう?」
「みんながいいなら、出たい!」
花乃さんが三ツ矢さんの問いかけに笑顔で承諾すると、教室内は拍手で包まれた。