昨日三ツ矢さんと話した後、しばらくして教室へと戻ると、半泣き状態の秋汰が謝りながら駆け寄ってきた。
でも、今は秋汰とどう接していいのか分からなくて”しばらく1人にして”と突き放してしまった。
そして今日、その事にとても後悔している。
「……」
すげぇ秋汰にチラチラ見られてるような気がする。
別に俺は秋汰の言葉に怒っているわけでもなんでもないんだし、あんな風に半泣きで謝らなくてもいいのに。
秋汰は優しすぎるから、自分が悪くない時もすぐに謝る。
きっと人と揉めたり、空気を悪くするのが嫌だから。
昨日の昼休みから丁度一日……ずっと秋汰と言葉を交わしていない。そしてそれは今も続いている。
昼休みに入ってから、少しだけ秋汰が可哀想な気がしてきた。
自分勝手な理由で突き放してしまったわけだ。俺だって罪悪感で押し潰されそう。
モヤモヤしてても埒が明かない。
とりあえず売店でミント系のタブレットでも買ってスッキリした方がいいな……。
と、教室を出て売店へと向かった。
◇ ◆ ◇
「ふぅ……マジで何て言えばいいんだよ……」
屋上への階段に腰掛け、これから秋汰になんて説明するか頭の中で整理する。
ずっとこのままって訳にもいかない。秋汰が俺を見放す前に、ちゃんと謝んないと。
そうこうしていると、タイミングが良いのか悪いのか、階段の下から遠慮がちな声が聞こえてきた。
「つむ……?」
「秋汰……」
まだどう説明するか考えれてない。
でも……これ以上秋汰を突き放すことはできない。
モヤモヤしていると、秋汰は階段を登ってきた。
「つむ、ごめんな? 俺が冷たいこと言って……ホンマに最低やったと思う」
「違う、秋汰……あのさ」
ここで不確かな気持ちを言うのか?
それはそれで秋汰に失礼だ。
例え三ツ矢さんの言う通りで、秋汰が俺のこと好きだろうが、まだ俺は秋汰が好きだって胸を張って言えねぇ。
はぁ……マジで……