それからしばらく俺と秋汰は、くだらない雑談をしていた。
 先週のテストの話、秋汰の鉄板スベらない話(自称)だとか。そんな話を聞いているうちに、気付いたら空は綺麗な夕焼けに染まっていた。

 話が一段落ついたとこで日誌を再開し、今日あったことを考えるのに集中していた。

「なぁ、秋汰……」

 なんかすげぇ静かなのが妙に落ち着かなく、秋汰に話を振ろうと視線を落とすと……秋汰はスピスピと寝息をたてながら、気持ちよさそうに寝ていた。

 ――寝てる。
 しかも、すげぇ爆睡してる。

 俺が日誌書くのに集中してたのって、せいぜい五分くらいだろ……?
 いつも寝てる俺が言うのもなんだけど、そんなすぐに寝れるもんなのか?

「おい、秋汰……って全ッ然起きねぇし」

 まぁ、日誌書き終えるまで寝かしてやるか……
 色々女子に質問攻めされたり、疲れたんだろ……多分。

「…………」

 そういえば今日、三ツ矢さんに言われた”例の件”。
 ちゃんと考えてみて思った。あの女子と秋汰が付き合ったら、確かに嫌かもしんねぇ……

 まぁ、秋汰はそんな気ないって言ってたから、大丈夫だとは思うけど。

 秋汰も優しいし、キッパリ断るの苦手なとこあるし……あの女子たちの圧に流されなきゃいいけど……

 とりあえず日誌仕上げるか……。