こんなに緊張する家への帰り道は初めてだ。私はいまいち距離感がわからないまま、腕二つ分、司と距離を空けて並んで歩いていく。
「あーあ。卒業か。高校生も学ランも終わりかー」
「そだね。ってゆうか司の学ラン、もうボタン2個しかついてないじゃん」
私は司の第二ボタンと第三ボタンを指差した。
「なぁ、俺って意外とモテんだな。式終わった途端にあっという間に俺ボタン争奪戦っ」
にんまり笑った司が残った第二ボタンを大事そうにそっと握るのをみてやっぱり胸はチクンとする。その第二ボタンは琴乃に渡すために、欲しがる女の子達に眉を下げて詫びる司の顔が思い浮かんだ。
「でも司、良かったの?最後なのに琴乃と一緒に帰らなくて」
「へ?」
司が素っ頓狂な声を上げた。
「由花が今日で卒業だし、行きは琴乃と、帰りは俺とゆっくり話ししながら帰りたいって言ったんじゃん」
「えっと……」
一瞬止まりかけた脳みそをフル回転させて、なるべく沈黙を短くしようと私は司の言葉を脳内再生する。
(琴乃は、司には私が司と一緒に帰りたいって言ったことにしてるってこと?つまり……それって……もしかして琴乃は……)
「まぁ俺もさ、最後くらい由花と二人で話したかったと思ってたし丁度良かった」
「え?」
司の、二人で話したかったの言葉に胸がどきんとする。
「いやマジでさ……由花にはほんと琴乃に告白するかどうか迷ってた時、色々相談乗ってもらったからさ。本当感謝してる。俺の親友!ありがとな!」
私は笑顔を浮かべながらも、今度は司の親友という言葉に胸がズキンとした。
「あーあ。卒業か。高校生も学ランも終わりかー」
「そだね。ってゆうか司の学ラン、もうボタン2個しかついてないじゃん」
私は司の第二ボタンと第三ボタンを指差した。
「なぁ、俺って意外とモテんだな。式終わった途端にあっという間に俺ボタン争奪戦っ」
にんまり笑った司が残った第二ボタンを大事そうにそっと握るのをみてやっぱり胸はチクンとする。その第二ボタンは琴乃に渡すために、欲しがる女の子達に眉を下げて詫びる司の顔が思い浮かんだ。
「でも司、良かったの?最後なのに琴乃と一緒に帰らなくて」
「へ?」
司が素っ頓狂な声を上げた。
「由花が今日で卒業だし、行きは琴乃と、帰りは俺とゆっくり話ししながら帰りたいって言ったんじゃん」
「えっと……」
一瞬止まりかけた脳みそをフル回転させて、なるべく沈黙を短くしようと私は司の言葉を脳内再生する。
(琴乃は、司には私が司と一緒に帰りたいって言ったことにしてるってこと?つまり……それって……もしかして琴乃は……)
「まぁ俺もさ、最後くらい由花と二人で話したかったと思ってたし丁度良かった」
「え?」
司の、二人で話したかったの言葉に胸がどきんとする。
「いやマジでさ……由花にはほんと琴乃に告白するかどうか迷ってた時、色々相談乗ってもらったからさ。本当感謝してる。俺の親友!ありがとな!」
私は笑顔を浮かべながらも、今度は司の親友という言葉に胸がズキンとした。