保健室に向かうと、保健の先生はいなかった。

「勝手に湿布貰って教室へ行こうかな」

先生に頬が赤い理由を聞かれても色々と面倒だしなぁ。
湿布を探そうと周りをみようとした時だ。

「盗みか?」

後ろから聞こえた声に振り返る。
保健室の置かれているベッド。
そのうちの一つを使っている人がいた。

「湿布を貰いたいだけだよ」
「なら先生を待つべきじゃないか?それとも、先生にその赤い部分を知られたくないか?」
「……別に」

指摘された部分を咄嗟に手で隠しながら僕は否定する。

「ハハッ、言いたくないって?別にいいさ。俺は興味ねぇからな。けど」

むくりと彼は起き上がって僕に近付いてくる。

「こっちの方に興味があるんだよ」

指が伸びてくる。

「お前、呪われているな」

保健室で僕の額へ指を突き付けながら彼は告げる。
僕はその言葉に意識が真っ暗になった。