月の宮の門番を与(あずか)るが名、月御門。

御門流(みかどりゅう)陰陽道の継承一族。当代主、月御門白桜。



月への路の守護者が名、影小路。

直系が断たれた一族、小路流(こうじりゅう)。正統後継者、影小路黒藤。



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 華をね、護ってほしいの

 その指先が白桜の頬に触れる。美しい白い影は微笑む。

 御門の主。いつかこちらの姫があなたに逢いに行くでしょう。いつか、いつ、いつか……

 あなたが華を語るならば、百合。あなたは、それだ。

 俺がそう答えると、美しい影はうっそりと微笑んだ。

 永遠の時間を超えてかもしれない。……御門の主、そのときはおよろしくね

百合の華のような甘い香りが遠ざかる。

夢はそこで醒める。