「おっはよーさーん、起きてるかー!」
いつものように零の部屋に入って来た藤谷は美也の姿を見て目を丸くした。
「あ、おはようございます」
美也はハムエッグを皿に盛っているところだった。
「あら、お邪魔したかな」
「藤谷さん、コーヒー飲んでってよ」
零が寝起きの顔で言うのを藤谷は戸惑ったように見た。
「どしたの? この時間に美也ちゃんがここにいるってことは……」
藤谷は大げさな身振りで顔を手で覆った。
「ひどいわ、零ちゃん、あたしを差し置いて……」
「もう、そういう冗談、笑えないって」
零は言ったが、美也は可笑しそうに笑っていた。
「今日、社長にも伝えようと思ってんだけど、美也としばらくここで暮らそうと思うんだ。時間とれたら、すぐにってことじゃないけど婚姻届けも出せたらいいな、って思ってるんだけど」
「へー……」
急な話で藤谷も驚いたが、美也も驚いた。婚姻届けの話が出るとは思わなかった。
「おめっとーさん。美也ちゃんがいてくれるんなら安心だわ。おれからも社長にお願いするよ」
「助かります。ありがとうございます」
零は寝起きのぼさぼさ髪のままで頭を下げた。
「じゃあ、あたしの鍵はお返しするわね…… くすん」
藤谷はそう言ってスペアキーをテーブルに置いた。
「社長の了解もらったら、また泉さんにもご挨拶します。いろいろお世話になったし……」
泉は藤谷の妻だ。彼女の差し入れに何度助けてもらったかしれない。
「そんなの気にしなくてもいいのに。またふたりでうちおいでよ。一緒にお祝いしよう。ま、今はとりあえず朝メシ食ってしまえ。30分したらまた来るわ」
藤谷は笑みを見せてそう言うと部屋を出て行った。
「美也」
それを見送って零は美也に目を向けた。
「勝手に決めちゃって……ごめん」
「ううん、謝らないでよ。急でびっくりしたけど…… ありがと。嬉しい」
「おじさんとおばさんにも改めて挨拶に行かせて?」
「うん」
美也は少し顔を赤くして答えた。
いつものように零の部屋に入って来た藤谷は美也の姿を見て目を丸くした。
「あ、おはようございます」
美也はハムエッグを皿に盛っているところだった。
「あら、お邪魔したかな」
「藤谷さん、コーヒー飲んでってよ」
零が寝起きの顔で言うのを藤谷は戸惑ったように見た。
「どしたの? この時間に美也ちゃんがここにいるってことは……」
藤谷は大げさな身振りで顔を手で覆った。
「ひどいわ、零ちゃん、あたしを差し置いて……」
「もう、そういう冗談、笑えないって」
零は言ったが、美也は可笑しそうに笑っていた。
「今日、社長にも伝えようと思ってんだけど、美也としばらくここで暮らそうと思うんだ。時間とれたら、すぐにってことじゃないけど婚姻届けも出せたらいいな、って思ってるんだけど」
「へー……」
急な話で藤谷も驚いたが、美也も驚いた。婚姻届けの話が出るとは思わなかった。
「おめっとーさん。美也ちゃんがいてくれるんなら安心だわ。おれからも社長にお願いするよ」
「助かります。ありがとうございます」
零は寝起きのぼさぼさ髪のままで頭を下げた。
「じゃあ、あたしの鍵はお返しするわね…… くすん」
藤谷はそう言ってスペアキーをテーブルに置いた。
「社長の了解もらったら、また泉さんにもご挨拶します。いろいろお世話になったし……」
泉は藤谷の妻だ。彼女の差し入れに何度助けてもらったかしれない。
「そんなの気にしなくてもいいのに。またふたりでうちおいでよ。一緒にお祝いしよう。ま、今はとりあえず朝メシ食ってしまえ。30分したらまた来るわ」
藤谷は笑みを見せてそう言うと部屋を出て行った。
「美也」
それを見送って零は美也に目を向けた。
「勝手に決めちゃって……ごめん」
「ううん、謝らないでよ。急でびっくりしたけど…… ありがと。嬉しい」
「おじさんとおばさんにも改めて挨拶に行かせて?」
「うん」
美也は少し顔を赤くして答えた。