僕は虐待はされていない。

だけど優燈を可愛がって僕には興味がなかった。

自分の思い通りに子供を育てたい。

その結果僕は孤独をずっと感じて育ってきた。


だから僕が父親になった時に子供ができたらその子供に同じことをしてしまうかもしれない。


絶対になりたくない。父さんみたいになりたくない。

だけど、僕の体にはそんな大っ嫌いな父さんと、母さんの血が流れてる。

だから結局父さんみたいになってしまうかもしれない。


嫌だ。僕は本当に父さんのことが嫌い。

いつからかなんて覚えてない。


でも確実に毛嫌うようになったのは中学に入ってから。

自分が父さんからされていることをちゃんとわかるようになったからだったと思う。


優燈と僕の兄弟差別だったり、勉強しかやらせてもらえない。

スマホの使用だって30分。テレビも見させてくれない。


そして、極付は.....父さんが仕事ばっかりで家族との思い出がないこと。


子供の頃から僕は、家族で一緒にいることの記憶がない。

誰かしらが欠けていたり、全員いても何もしない。


家族旅行に行ったり、家族で同じものをしたりした記憶がない。

学校で、クラスの人たちが家族旅行や誕生日プレゼントの話で盛り上がっているのを聞いて、自分の家庭だけなのを知った。


そのとき、僕の中で何かがちぎれた。自分の家だけこんなに愛されていない。

優燈だけ可愛がっていて心が痛かったのに、さらにショックを受けた。


父さんは僕たちに興味がない。結局好きなのは仕事だけ。

そして、出来のいい優燈だけ.....僕はいらない子....必要のない子....

僕は生まれてきた価値があったのだろうか....


そうやってだんだん自分を思い詰めていって、今の自分になった。