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翌日....
昨日ここの病院の屋上で、彼女が僕と似ていると言っていた。
そこから、なぜか彼女のことを目で追ってしまう。
他のことに集中したいのに.....
テキストを開いて、残りの分を早く終わらせたいのに全然集中ができなくなってしまった。
チラチラと頭の中に浮かんでくるのは、昨日の屋上での彼女の顔。
何かを抱えているようなそんな感じだった。
家族とうまく行っていなくて、ほぼ絶縁状態だと言っていた。
だけど、それだけじゃない気がする。
もっと大きなものを彼女は抱えているような気がする。
彼女が患っていると言っていた心臓病か?
いや、そんな感じのものじゃない。もっと大きな何か.....
「燈空。ちょっといい?」
いつの間にか考えすぎててぼーっとしてたらしく、目の前に彼女がいることに気づかなかった。
「何?」
「ここで話してもいいけど、どうする?屋上にまた行く?」
「え、そんなに大事な話なの?」
「いや、じゃあここで聞くね」
何を聞かれるのかわからず、唾をごくりと飲み込んだ。
「燈空.....なんで今日そんなに私のこと見てくるの!!」
「は!?」
予想外の言葉に僕はなかなかの大きな声をあげてしまった。
「高橋さん、小坂さん。ここは病院の中なんですからもう少しお静かにしてください」
「「はい」」
ちょうど僕たちの病室にいた宮瀬さんが僕たちに注意してきた。
僕はベットから起き上がって端座位した。
そして、彼女の方を向くと、僕の方を向きながら『シー』っと言ってきた
「だから言ったじゃん。ここで話してもいいけどどうする?って」
「だからって、まさかこんな話だなんて思ってもいなかったんだもん」
その瞬間彼女と目があった。
そして、ゲラゲラとお腹を抱えて笑った。