気がつけば、周り一面、白一色の世界に立っていた。

 ――汝の望みは何だ。

 そして目の前に、お師匠様そっくりな女性が佇んでいた。
 顔かたちはお師匠様そっくりなんだけど、無表情で、目を半分伏せている。
 身にまとう衣装は、僕が想像する『神様』にぴったり合致するような、ローブというか……あぁ、そうだ。『トーガ』っていう、古代文明の人が着ていた、白い布の衣装をお召しになっていらっしゃる。

 ――汝の望みは何だ。

 再び、女性が問うた。

「あ、あの……あなたは、誰ですか?」

 ――我はアリソン。魔法神。ルキフェル王国先王。勇者。
 ――汝の望みは何だ。

「僕の、望みは――…」

 戦争の回避。
 その為の、ロンダキアに展開した兵器・兵站・軍人・捕虜の【収納】。
 それを邪魔する、アリス・アインスの排除。

 ――排除? 【収納】ではなく?

 女神様が小首をかしげた。なんだかお師匠様みたいで可愛い。

 ――不敬。

 アッアッアッごめんなさい!!
 おっしゃる通りで、僕の望みは、アリス・アインスの(コア)である魔石を【収納】することです!

 ――……

 一瞬、神様が笑ったように見えた。

 ――汝の望みと、我が子・アインスの望みは合致する。
 ――良かろう。
 ――そなたに神級のスキルを授……け…