生ぬるい風が吹き、長いスカートの下を駆け抜けていく。ふわりと浮いたのを見て「スカート、履けるようになったんだな」と言われて思い出した。
「そうだ、そうだね、私、昔はスカート履けなかったから」
「恥ずかしかったんだっけ?」
「それもあるけど……女って性別を認めるようで」
そういえばそうだった。当時の私は、制服さえも嫌で、スカートの下にジャージを履く芋女。
昔は、男友達が多かった。外で走り回って、下品なことで笑いあって、そのために走りやすいズボンを履いていた。
けれど、いつしか、周りは女子になっていた。一緒に遊んでいた女の子も遊ばなくなって、私には生理が訪れ、胸が膨らみ、否応なしに女という性別に閉じ込められた。
でも、嫌だった。いつのまにか遊んでいた男友達が、私を女として見ていること。それが嫌で、男のように振る舞っていた。
「よく覚えてたね」
「まあね。私を女と思わないでねって言ってたっけ」
「そ、そうだね……。恥ずかしい」
そうすれば私は永と仲良くいられる。私は女じゃないから。
浅ましくも、そう思っていたのだ。
「そうだ、そうだね、私、昔はスカート履けなかったから」
「恥ずかしかったんだっけ?」
「それもあるけど……女って性別を認めるようで」
そういえばそうだった。当時の私は、制服さえも嫌で、スカートの下にジャージを履く芋女。
昔は、男友達が多かった。外で走り回って、下品なことで笑いあって、そのために走りやすいズボンを履いていた。
けれど、いつしか、周りは女子になっていた。一緒に遊んでいた女の子も遊ばなくなって、私には生理が訪れ、胸が膨らみ、否応なしに女という性別に閉じ込められた。
でも、嫌だった。いつのまにか遊んでいた男友達が、私を女として見ていること。それが嫌で、男のように振る舞っていた。
「よく覚えてたね」
「まあね。私を女と思わないでねって言ってたっけ」
「そ、そうだね……。恥ずかしい」
そうすれば私は永と仲良くいられる。私は女じゃないから。
浅ましくも、そう思っていたのだ。