夜も深くなり静寂が降りる中、私達は壁を背にするようにして座り、共に過ごした時間に思いを馳せていた。この三週間毎日、当たり前のように話していたけど今は愛おしくて、尊くて、一分一秒ですら大切にしようと思った。
「ひとつ聞いていい?瑠衣かお母さんかどっちで私は呼んだらいい?」
「うーん、今は大橋瑠衣として生きてるから瑠衣の方が嬉しいかも」
瑠衣は宙に視線を送りながら数秒考えたあと、私の目をみて言った。
「あっという間だったな。人生で一番濃い三週間だったかも」
ぽつりと放たれたその声に、かちかちと時を打つ時計の音が混じり合う。途端に悲しみが込み上げてきて私は涙を堪えるのに必死だった。目一杯、下唇を噛みしめる。出来ることならこのまま時間が止まってと、何度も心の中で叫び声をあげた。
「あっ、一つ心残りがある。」
思い出したように声をあげた瑠衣に私は尋ねる。
「なに?」
「さば味噌、今日さば味噌食べてない私。」
「えっ?」
あまりにも瑠衣らしい心残りに私は間の抜けた声を出してしまい、思わず笑ってしまう。
「なにそれ?それが心残りなの?毎日あれだけ食べてたじゃん」
「ここの食堂のさば味噌を食べることは私の人生の生きがいだからね。」
「私はもう瑠衣のさば味噌を食べ続ける姿に飽きちゃった」
「ひどっ美咲」
「あははっ」
「笑ったね。美咲は笑った方がいいよ。夕焼けみたいに周りを明るく染めてくれる、そんな美咲の笑顔が私は好きだったんだ」
「瑠衣?」
突然静かな口調になる瑠衣に、私は動揺する。その時、雪が降った。ひかりを灯した小さな玉が、しんと静まり返った部屋の中を眩い程に照らしゆっくりと地に向かって落ちていく。
「な……にこれ」
一つ、また一つと、私の身体に触れては消えた。温かくて包まれるようなひかりの中で私は不思議な気持ちになった。目に映るもの全てが尊くも愛おしく思えるようなそんな刹那、私は瑠衣に視線を向けた。
瑠衣の身体はひかりを纏っていた。私の身体には触れた瞬間に消えていたのに、ひかりの玉は瑠衣の身体に触れたと同時に、その場所を更に輝かせていたのだ。
私は思わず手を伸ばした。
「瑠衣!」
「お迎えがきたみたい、もう私の時間は…」
その言葉を言い終える前に、瑠衣の身体は目が眩む程の強烈なひかりを放った。
「そんなっ嫌…駄目っ!」
私は瑠衣の元へと駆け寄り、力強く抱きしめる。真綿のように柔らかく、陽だまりのように温かいその身体を固く結んだ腕の中に感じた。
「美咲、本当……にありがとう。私はニ回目の人生も最高に幸せだった。美咲のおかげだよ」
啜り声が聴こえ腕を解くと、瑠衣の頬には二つの道筋が出来ていた。この世のものとは思えない程に、ひかりを纏う綺麗な道がそこにはあった。
私は、何度も小さく首を横に振る。違うんだ。違うんだよ、瑠衣。救って貰ったのは私なんだよ。この世界で生きていく為の道標をまた見つけることが出来たのも、心から笑うことが出来るようになったのも全部、全部、瑠衣が私の傍にいてくれたから。
「私、瑠衣と……友達になれて本当に良かった」
溢れた感情は声を乗せて気付けば口から放たれていた。
瑠衣は優しげな笑みを浮かべると、やがてひかりに包まれ顔がみえなくなり、微かにみえるのは輪郭だけとなった。
「嫌だ……瑠衣!行かないで。お願い」
私は嗚咽を洩らしながらも、瑠衣の身体があったであろう方に向けて手を伸ばす。
──嫌だ。
離れていく気がした。
──嫌だ。
瑠衣が、お母さんが。
──嫌だ。
もう、私の前に現れることもない。
何故かは分からないが、全身がそう訴えかけており、心は私の声を通して泣き叫んでいた。手をかざし、指の隙間から瑠衣が立っていたその場所をみつめていると、ひかりの中から手の輪郭がみえた気がした。私は咄嗟にその手を力強く掴んだ。その瞬間、声が聴こえた。瑠衣の声が。
「ねぇ、美咲。笑って。そんな顔されてたら安心して逝けないよ」
私ははっとして、自分の顔がよれよれになる程に泣いていたことに気付いた。そうだった。笑顔で見送らなきゃ。瑠衣が、お母さんが、安心して向こうに逝けるように心からの笑顔で送らないと駄目だった。両手で目元を拭ったあと、今の自分に出来る中で最高の笑顔を浮かべた。
「私は前を向いて生きるから。だから安心して?いつか私がそっちに行ったら、また馬鹿みたいな話しでもして笑おうね。じゃあね。」
「そう。それでいい。私の大好きな美咲の顔。またみれて良かった。」
瑠衣の言葉が切れたと同時に、ひかりが吸い込まれるようにして天井から空へと向かって消えていく。
「またね、瑠衣」
私もそう呟いたあと、事切れるかのようにその場で倒れた。
目が覚めたのは夜が明けたあとだった。絨毯の上に倒れるようにして眠っていた私は、微かに灯る自分の意識を咄嗟に奮い立たせた。
「瑠衣!」
身体を飛び上がるように起こし、自分の発した名前に違和感を覚える。
──たぶん誰の記憶にも残らない、それは美咲も例外じゃないと思う
瑠衣の言葉を思い出した。
「あれ?私、覚えてる。瑠衣のこと、思い出も全て」
一瞬なにかの悪い夢だったんだろうか?とも思った。でも、そんな甘い考えは私の目に映るもの全てが根幹から否定してくる。瑠衣と二人で過ごした部屋。たった三週間だけど、濃密で最高の日々を過ごした部屋。
だけど、そこに瑠衣のいた痕跡は何一つ残されていなかった。瑠衣の寝ていたはずの布団や荷物も、いつも使っていたメイク道具や充電器も何もかも。
「やっぱり現実だよね」
私はそうぽつりと呟くと、呆然と部屋を歩いた。
この場所で語って、この場所で泣いて、この場所で笑った。もう一生忘れることなんて出来ない。私と瑠衣の思い出の場所だから。
物思いに耽ていると足元に何かが触れて視線を落とす。同時に飛びつくようにしてそれを手にした。そこにあったのは、瑠衣の描いた絵だった。家族3人で夜空を眺めているこの絵だけは何故か残されていた。
「残ってた、本当……に良かった」
私はそれらを胸元に抱え、優しく抱きしめた。そして思い立つ。時計に視線を送ると、時刻は午前七時を過ぎたばかり。まだ間に合う。学校に登校する時間まであと一時間。課題を提出する今日この日に、私がこの絵を完成させる。何故かその想いが無性に私を駆り立てた。
机の引き出しからパレットを引っ張り出し、何色もの油彩絵の具を出して絵と向き合い始めた。時間を忘れ、必死に描き続けた。この際あとから色を足したことで少々汚くなったり色が滲む程度ならもうどうでもいい。とにかく私はこの絵を完成させなければならない。その一心だった。
「よし、できた!なんとか間に合った!」
額を手で拭った私は、大きく安堵の溜息を吐く。
私が手にしていたのは、前は家族三人で夜空に浮かぶ赤い月を眺める絵。
そして今は、その空を家族四人で眺める絵になった。
私とお母さんとお父さん、そして瑠衣。
その絵を窓に立てかけ、急いで身支度を始め学校へ行く準備を進める。教材を鞄に詰め込みながら大切な二人に向けて思いを馳せた。
ねぇお母さん聞こえてる?
辺り一面を明るく染めるような夕焼けみたいな笑顔が好きって言ってくれたけど、そう思ってたのは私もなんだよ。どんなに辛いことがあっても、悲しいことがあっても、いつも明るく接してくれたお母さんに私は救われてたんだ。お母さんの笑顔が私の心を照らしてくれてたんだよ。
今まで心配かけてごめんね。
泣いてばかりじゃ私らしくないよね。
前を向いてしっかりと生きていくから応援してね。
そして瑠衣。
瑠衣には感謝の気持ちしかないよ。
悲しみの淵に立たされていた私にいつも手を差し伸べてくれた。私はやっと今を生きようと思えた。
瑠衣は、私にとってのひかりそのものだったよ。
友達になってくれて、本当にありがとう。
「あー駄目だ……私、また」
二人への想いに意識を向けていると、目元から涙が溢れそうになった。鼻を啜り、両手で頬を一度、二度と叩いてよしと気合を入れて、窓に立てかけた絵に視線を送る。
家族四人で眺める赤い月は、カーテンの隙間から溢れた朝日に照らされて、ひかり輝いてみえた。まるでこの世の理に逆らうかの如く、夜空を照らす太陽のようだった。
私はその絵に微笑みを向けたあと、ふと思う。
こんなにすぐ泣きそうになってたら瑠衣ならなんて言うんだろう。
心配してくれるんだろうか、それとも「また泣いてる」と怒り出すんだろうか。
どちらにしても私が悲しみの淵に落ちないようにと、きっと優しく手を差し伸べてくれるんだろうな。
でも、私はもう大丈夫だよ。
絵も勉強も恋愛も全力で頑張る。
命の灯火が燃え尽きるその瞬間まで、全力で生きるから。
力強く空へと羽ばたくカゲロウのように、私も生きてみるよ。
世界はこんなにもひかりで溢れてる。
前を向いて、顔をあげて、視界を広げてなくちゃ勿体ないよね。
私は、もっとひかりをみたい。
私は、もっとひかりにふれたい。
だって世界はこんなにも綺麗だから。
「だよね、瑠衣。」
(了)
「ひとつ聞いていい?瑠衣かお母さんかどっちで私は呼んだらいい?」
「うーん、今は大橋瑠衣として生きてるから瑠衣の方が嬉しいかも」
瑠衣は宙に視線を送りながら数秒考えたあと、私の目をみて言った。
「あっという間だったな。人生で一番濃い三週間だったかも」
ぽつりと放たれたその声に、かちかちと時を打つ時計の音が混じり合う。途端に悲しみが込み上げてきて私は涙を堪えるのに必死だった。目一杯、下唇を噛みしめる。出来ることならこのまま時間が止まってと、何度も心の中で叫び声をあげた。
「あっ、一つ心残りがある。」
思い出したように声をあげた瑠衣に私は尋ねる。
「なに?」
「さば味噌、今日さば味噌食べてない私。」
「えっ?」
あまりにも瑠衣らしい心残りに私は間の抜けた声を出してしまい、思わず笑ってしまう。
「なにそれ?それが心残りなの?毎日あれだけ食べてたじゃん」
「ここの食堂のさば味噌を食べることは私の人生の生きがいだからね。」
「私はもう瑠衣のさば味噌を食べ続ける姿に飽きちゃった」
「ひどっ美咲」
「あははっ」
「笑ったね。美咲は笑った方がいいよ。夕焼けみたいに周りを明るく染めてくれる、そんな美咲の笑顔が私は好きだったんだ」
「瑠衣?」
突然静かな口調になる瑠衣に、私は動揺する。その時、雪が降った。ひかりを灯した小さな玉が、しんと静まり返った部屋の中を眩い程に照らしゆっくりと地に向かって落ちていく。
「な……にこれ」
一つ、また一つと、私の身体に触れては消えた。温かくて包まれるようなひかりの中で私は不思議な気持ちになった。目に映るもの全てが尊くも愛おしく思えるようなそんな刹那、私は瑠衣に視線を向けた。
瑠衣の身体はひかりを纏っていた。私の身体には触れた瞬間に消えていたのに、ひかりの玉は瑠衣の身体に触れたと同時に、その場所を更に輝かせていたのだ。
私は思わず手を伸ばした。
「瑠衣!」
「お迎えがきたみたい、もう私の時間は…」
その言葉を言い終える前に、瑠衣の身体は目が眩む程の強烈なひかりを放った。
「そんなっ嫌…駄目っ!」
私は瑠衣の元へと駆け寄り、力強く抱きしめる。真綿のように柔らかく、陽だまりのように温かいその身体を固く結んだ腕の中に感じた。
「美咲、本当……にありがとう。私はニ回目の人生も最高に幸せだった。美咲のおかげだよ」
啜り声が聴こえ腕を解くと、瑠衣の頬には二つの道筋が出来ていた。この世のものとは思えない程に、ひかりを纏う綺麗な道がそこにはあった。
私は、何度も小さく首を横に振る。違うんだ。違うんだよ、瑠衣。救って貰ったのは私なんだよ。この世界で生きていく為の道標をまた見つけることが出来たのも、心から笑うことが出来るようになったのも全部、全部、瑠衣が私の傍にいてくれたから。
「私、瑠衣と……友達になれて本当に良かった」
溢れた感情は声を乗せて気付けば口から放たれていた。
瑠衣は優しげな笑みを浮かべると、やがてひかりに包まれ顔がみえなくなり、微かにみえるのは輪郭だけとなった。
「嫌だ……瑠衣!行かないで。お願い」
私は嗚咽を洩らしながらも、瑠衣の身体があったであろう方に向けて手を伸ばす。
──嫌だ。
離れていく気がした。
──嫌だ。
瑠衣が、お母さんが。
──嫌だ。
もう、私の前に現れることもない。
何故かは分からないが、全身がそう訴えかけており、心は私の声を通して泣き叫んでいた。手をかざし、指の隙間から瑠衣が立っていたその場所をみつめていると、ひかりの中から手の輪郭がみえた気がした。私は咄嗟にその手を力強く掴んだ。その瞬間、声が聴こえた。瑠衣の声が。
「ねぇ、美咲。笑って。そんな顔されてたら安心して逝けないよ」
私ははっとして、自分の顔がよれよれになる程に泣いていたことに気付いた。そうだった。笑顔で見送らなきゃ。瑠衣が、お母さんが、安心して向こうに逝けるように心からの笑顔で送らないと駄目だった。両手で目元を拭ったあと、今の自分に出来る中で最高の笑顔を浮かべた。
「私は前を向いて生きるから。だから安心して?いつか私がそっちに行ったら、また馬鹿みたいな話しでもして笑おうね。じゃあね。」
「そう。それでいい。私の大好きな美咲の顔。またみれて良かった。」
瑠衣の言葉が切れたと同時に、ひかりが吸い込まれるようにして天井から空へと向かって消えていく。
「またね、瑠衣」
私もそう呟いたあと、事切れるかのようにその場で倒れた。
目が覚めたのは夜が明けたあとだった。絨毯の上に倒れるようにして眠っていた私は、微かに灯る自分の意識を咄嗟に奮い立たせた。
「瑠衣!」
身体を飛び上がるように起こし、自分の発した名前に違和感を覚える。
──たぶん誰の記憶にも残らない、それは美咲も例外じゃないと思う
瑠衣の言葉を思い出した。
「あれ?私、覚えてる。瑠衣のこと、思い出も全て」
一瞬なにかの悪い夢だったんだろうか?とも思った。でも、そんな甘い考えは私の目に映るもの全てが根幹から否定してくる。瑠衣と二人で過ごした部屋。たった三週間だけど、濃密で最高の日々を過ごした部屋。
だけど、そこに瑠衣のいた痕跡は何一つ残されていなかった。瑠衣の寝ていたはずの布団や荷物も、いつも使っていたメイク道具や充電器も何もかも。
「やっぱり現実だよね」
私はそうぽつりと呟くと、呆然と部屋を歩いた。
この場所で語って、この場所で泣いて、この場所で笑った。もう一生忘れることなんて出来ない。私と瑠衣の思い出の場所だから。
物思いに耽ていると足元に何かが触れて視線を落とす。同時に飛びつくようにしてそれを手にした。そこにあったのは、瑠衣の描いた絵だった。家族3人で夜空を眺めているこの絵だけは何故か残されていた。
「残ってた、本当……に良かった」
私はそれらを胸元に抱え、優しく抱きしめた。そして思い立つ。時計に視線を送ると、時刻は午前七時を過ぎたばかり。まだ間に合う。学校に登校する時間まであと一時間。課題を提出する今日この日に、私がこの絵を完成させる。何故かその想いが無性に私を駆り立てた。
机の引き出しからパレットを引っ張り出し、何色もの油彩絵の具を出して絵と向き合い始めた。時間を忘れ、必死に描き続けた。この際あとから色を足したことで少々汚くなったり色が滲む程度ならもうどうでもいい。とにかく私はこの絵を完成させなければならない。その一心だった。
「よし、できた!なんとか間に合った!」
額を手で拭った私は、大きく安堵の溜息を吐く。
私が手にしていたのは、前は家族三人で夜空に浮かぶ赤い月を眺める絵。
そして今は、その空を家族四人で眺める絵になった。
私とお母さんとお父さん、そして瑠衣。
その絵を窓に立てかけ、急いで身支度を始め学校へ行く準備を進める。教材を鞄に詰め込みながら大切な二人に向けて思いを馳せた。
ねぇお母さん聞こえてる?
辺り一面を明るく染めるような夕焼けみたいな笑顔が好きって言ってくれたけど、そう思ってたのは私もなんだよ。どんなに辛いことがあっても、悲しいことがあっても、いつも明るく接してくれたお母さんに私は救われてたんだ。お母さんの笑顔が私の心を照らしてくれてたんだよ。
今まで心配かけてごめんね。
泣いてばかりじゃ私らしくないよね。
前を向いてしっかりと生きていくから応援してね。
そして瑠衣。
瑠衣には感謝の気持ちしかないよ。
悲しみの淵に立たされていた私にいつも手を差し伸べてくれた。私はやっと今を生きようと思えた。
瑠衣は、私にとってのひかりそのものだったよ。
友達になってくれて、本当にありがとう。
「あー駄目だ……私、また」
二人への想いに意識を向けていると、目元から涙が溢れそうになった。鼻を啜り、両手で頬を一度、二度と叩いてよしと気合を入れて、窓に立てかけた絵に視線を送る。
家族四人で眺める赤い月は、カーテンの隙間から溢れた朝日に照らされて、ひかり輝いてみえた。まるでこの世の理に逆らうかの如く、夜空を照らす太陽のようだった。
私はその絵に微笑みを向けたあと、ふと思う。
こんなにすぐ泣きそうになってたら瑠衣ならなんて言うんだろう。
心配してくれるんだろうか、それとも「また泣いてる」と怒り出すんだろうか。
どちらにしても私が悲しみの淵に落ちないようにと、きっと優しく手を差し伸べてくれるんだろうな。
でも、私はもう大丈夫だよ。
絵も勉強も恋愛も全力で頑張る。
命の灯火が燃え尽きるその瞬間まで、全力で生きるから。
力強く空へと羽ばたくカゲロウのように、私も生きてみるよ。
世界はこんなにもひかりで溢れてる。
前を向いて、顔をあげて、視界を広げてなくちゃ勿体ないよね。
私は、もっとひかりをみたい。
私は、もっとひかりにふれたい。
だって世界はこんなにも綺麗だから。
「だよね、瑠衣。」
(了)