最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この物語は、
「もし、自分の母親になって、そのお腹に宿る“自分自身”の存在を体感できたら、どんな気持ちになるのだろう」
と、ふと思いついたことから広がっていきました。
どんなに嫌いだと思っていた母親でも、その身体を通して自分が生まれるまでの時間を体験したなら、抱いていた感情にも何か変化が生まれるのではないか。
自分の死と引き換えに、魂だけが過去へ飛び、当時、自分を妊娠していた母親に憑依する。
そこで初めて知る、妊娠中の身体の変化や不調、不安、恐怖。
そして、生きていた頃には決して知ることのできなかった、母親が自分を産むまでに経験していた数々の出来事。
それらを自らの身体で体感しながら、
「生きること」と「死んでいくこと」の両方に向き合い、少しずつ母を理解していく娘。
そして最後には、
「もう一度、あなたの子どもとして生まれたい」
という願いへ辿り着く。
そこまでの心の変化を描きたいと思い、誕生したのが本作です。
この作品を思いついた当時、筆者はまだ結婚もしていませんでした。
もちろん、妊娠も出産も経験していません。
その後、自分自身が妊娠・出産を経験し、改めてこの物語を読み返したとき、実際に感じた身体の変化や心境と照らし合わせながら、加筆・修正を行いました。
「妊娠する前から、こんなことを考えて書いていたのか」
と、自分でも少し驚きました。
実は企画段階では、主人公を男の子にしようかと迷っていた時期もあります。
男の子が、妊娠中の過去の母親に憑依し、妊娠中の体調や不安を身をもって経験する。
そして現実の世界へ戻ったとき、女性の身体や気持ちを安易に傷つけたり、雑に扱ったりしてはいけないのだと気づく――。
そんな物語も考えていました。
けれど、それではどこか、
「女性は大切に扱われるべき存在だから」
という教訓そのものが前面に出すぎてしまう気がしました。
もっと繊細に、母と娘だからこそ生まれる感情や、嫌いだったはずの相手を理解していく戸惑い、自分という命がどれほどの時間をかけてここまで運ばれてきたのかを知る衝撃を描きたい。
そう考え、主人公は女の子になりました。
凛々は、結果として消えてしまいます。
けれど、私は彼女の物語を、ただ「儚い物語」にはしたくありませんでした。
自分の命が終わろうとしている中でも、
これから生まれる小さな命に未来を託し、強く願うこと。
自分はもうそこへ行けなくても、いつかもう一度、この人の子どもとして生まれたいと願うこと。
その思いこそが、本作の大きな見どころであり、
『I promise…』という物語で最も描きたかったものの一つです。
凛々が最後に辿り着いた願いと、その願いに込めた意味を、少しでも感じていただけていたら嬉しく思います。
最後まで凛々の物語を見届けてくださり、本当にありがとうございました。
【筆者おすすめ】
①『君という夢を描いて』
恋なんて、自分には一生無縁だと思っていた。
地味で冴えない美大生・柴田涼平が出逢ったのは、歌手になる夢を追い続ける少女・桜ヶ丘梨歩。
太陽のように笑う彼女に一目惚れした涼平は、初めての恋に戸惑いながらも、少しずつ彼女との時間を重ねていく。
梨歩が歌い、涼平が描く。
何気ない毎日は、いつしかかけがえのない青春へと変わっていった。
――ずっと、この時間が続くと思っていた。
しかし突然告げられた、残された命の期限。
もっと生きたい。
もっと君と笑いたい。
もっと君の未来を見ていたい。
叶わない願いを胸に、涼平は最愛の彼女へ、最後の贈り物を遺すことを決意する。
これは、夢を描くことしか知らなかった青年が、愛する人という「夢」に出逢い、その未来へ想いを託す物語。
②『君という夢を描いて The after story―Embrace it all―』
亡き恋人・涼平への思いを抱えたまま、亞紗斗に惹かれていく梨歩。
過去を忘れることも、涼平への愛を手放すことも求めず、その思いも、その存在も、すべて受け入れてくれた元EDENのヴァイオリニスト・亞紗斗。
失った愛を胸に抱きながら、もう一度誰かを愛すること。 そして、新たな命とともに未来を紡いでいくこと。
これは、梨歩と亞紗斗が過去も今も未来も抱きしめながら、「その先の人生」を歩んでいく物語。
※『Embrace it all』シリーズを、『君という夢を描いて』のアフターストーリーとして加筆・修正し、改稿した作品です。新たに妊娠・出産編や、亞紗斗のルーツにまつわるコミカルなエピソードも追加しています。
〈加筆エピソード〉
6話「幸せの足音」―愛し子―
7話「日本とアメリカ、稀に大阪」―知られたくなかった秘密―
このほかにも、短編を何作か公開しています。
もし興味を持っていただけましたら、ほかの作品も読んでいただけると嬉しいです。
また、感想やレビューなどをいただけると、今後の創作の励みになります。
ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
この物語は、
「もし、自分の母親になって、そのお腹に宿る“自分自身”の存在を体感できたら、どんな気持ちになるのだろう」
と、ふと思いついたことから広がっていきました。
どんなに嫌いだと思っていた母親でも、その身体を通して自分が生まれるまでの時間を体験したなら、抱いていた感情にも何か変化が生まれるのではないか。
自分の死と引き換えに、魂だけが過去へ飛び、当時、自分を妊娠していた母親に憑依する。
そこで初めて知る、妊娠中の身体の変化や不調、不安、恐怖。
そして、生きていた頃には決して知ることのできなかった、母親が自分を産むまでに経験していた数々の出来事。
それらを自らの身体で体感しながら、
「生きること」と「死んでいくこと」の両方に向き合い、少しずつ母を理解していく娘。
そして最後には、
「もう一度、あなたの子どもとして生まれたい」
という願いへ辿り着く。
そこまでの心の変化を描きたいと思い、誕生したのが本作です。
この作品を思いついた当時、筆者はまだ結婚もしていませんでした。
もちろん、妊娠も出産も経験していません。
その後、自分自身が妊娠・出産を経験し、改めてこの物語を読み返したとき、実際に感じた身体の変化や心境と照らし合わせながら、加筆・修正を行いました。
「妊娠する前から、こんなことを考えて書いていたのか」
と、自分でも少し驚きました。
実は企画段階では、主人公を男の子にしようかと迷っていた時期もあります。
男の子が、妊娠中の過去の母親に憑依し、妊娠中の体調や不安を身をもって経験する。
そして現実の世界へ戻ったとき、女性の身体や気持ちを安易に傷つけたり、雑に扱ったりしてはいけないのだと気づく――。
そんな物語も考えていました。
けれど、それではどこか、
「女性は大切に扱われるべき存在だから」
という教訓そのものが前面に出すぎてしまう気がしました。
もっと繊細に、母と娘だからこそ生まれる感情や、嫌いだったはずの相手を理解していく戸惑い、自分という命がどれほどの時間をかけてここまで運ばれてきたのかを知る衝撃を描きたい。
そう考え、主人公は女の子になりました。
凛々は、結果として消えてしまいます。
けれど、私は彼女の物語を、ただ「儚い物語」にはしたくありませんでした。
自分の命が終わろうとしている中でも、
これから生まれる小さな命に未来を託し、強く願うこと。
自分はもうそこへ行けなくても、いつかもう一度、この人の子どもとして生まれたいと願うこと。
その思いこそが、本作の大きな見どころであり、
『I promise…』という物語で最も描きたかったものの一つです。
凛々が最後に辿り着いた願いと、その願いに込めた意味を、少しでも感じていただけていたら嬉しく思います。
最後まで凛々の物語を見届けてくださり、本当にありがとうございました。
【筆者おすすめ】
①『君という夢を描いて』
恋なんて、自分には一生無縁だと思っていた。
地味で冴えない美大生・柴田涼平が出逢ったのは、歌手になる夢を追い続ける少女・桜ヶ丘梨歩。
太陽のように笑う彼女に一目惚れした涼平は、初めての恋に戸惑いながらも、少しずつ彼女との時間を重ねていく。
梨歩が歌い、涼平が描く。
何気ない毎日は、いつしかかけがえのない青春へと変わっていった。
――ずっと、この時間が続くと思っていた。
しかし突然告げられた、残された命の期限。
もっと生きたい。
もっと君と笑いたい。
もっと君の未来を見ていたい。
叶わない願いを胸に、涼平は最愛の彼女へ、最後の贈り物を遺すことを決意する。
これは、夢を描くことしか知らなかった青年が、愛する人という「夢」に出逢い、その未来へ想いを託す物語。
②『君という夢を描いて The after story―Embrace it all―』
亡き恋人・涼平への思いを抱えたまま、亞紗斗に惹かれていく梨歩。
過去を忘れることも、涼平への愛を手放すことも求めず、その思いも、その存在も、すべて受け入れてくれた元EDENのヴァイオリニスト・亞紗斗。
失った愛を胸に抱きながら、もう一度誰かを愛すること。 そして、新たな命とともに未来を紡いでいくこと。
これは、梨歩と亞紗斗が過去も今も未来も抱きしめながら、「その先の人生」を歩んでいく物語。
※『Embrace it all』シリーズを、『君という夢を描いて』のアフターストーリーとして加筆・修正し、改稿した作品です。新たに妊娠・出産編や、亞紗斗のルーツにまつわるコミカルなエピソードも追加しています。
〈加筆エピソード〉
6話「幸せの足音」―愛し子―
7話「日本とアメリカ、稀に大阪」―知られたくなかった秘密―
このほかにも、短編を何作か公開しています。
もし興味を持っていただけましたら、ほかの作品も読んでいただけると嬉しいです。
また、感想やレビューなどをいただけると、今後の創作の励みになります。
ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました。



