何もない一本道を歩き続ける少年少女。フードをかぶった少年と、長い髪を三つ編みにした少女。二人は俯いたまま黙って歩き続ける。
「ねえ、知ってる?天国の扉が開く時の音って、人によって違うんだって」
長い道の途中、少女が少年に語り掛けた。少年は黙って首を振る。
「煉獄でも、地獄でも、人によって違うんだって」
少女は続けた。
少女の震える手を少年は強く握り返した。
「それは」
今まで黙っていた少年は意を決して口を開いた。
「……に聞いたの?」
しかし、どこからともなく聞こえてきた電子機器の音声が最初の部分が搔き消した。
「そうだよ」
少年の唇の動きを見つめていた少女は頷いた。
「こうも言ってたの」
少女が話し出すのとほぼ同じ瞬間に、鳥が鳴きだした。鳥の姿は見えない。少年はキョロキョロとあたりを見回した。
少女の声は聞こえなかったが、少年はどこから鳥の声が聞こえたのかはすぐに分かった。
鳥の声が静まった後、彼女は一言だけ言った。
「ごめんね」
「ねえ、知ってる?天国の扉が開く時の音って、人によって違うんだって」
長い道の途中、少女が少年に語り掛けた。少年は黙って首を振る。
「煉獄でも、地獄でも、人によって違うんだって」
少女は続けた。
少女の震える手を少年は強く握り返した。
「それは」
今まで黙っていた少年は意を決して口を開いた。
「……に聞いたの?」
しかし、どこからともなく聞こえてきた電子機器の音声が最初の部分が搔き消した。
「そうだよ」
少年の唇の動きを見つめていた少女は頷いた。
「こうも言ってたの」
少女が話し出すのとほぼ同じ瞬間に、鳥が鳴きだした。鳥の姿は見えない。少年はキョロキョロとあたりを見回した。
少女の声は聞こえなかったが、少年はどこから鳥の声が聞こえたのかはすぐに分かった。
鳥の声が静まった後、彼女は一言だけ言った。
「ごめんね」