家までの道中、今後のことを考えた。学級閉鎖は今日から3日間。この間、病床の美希と環奈を家に残して仕事に行くのはどうも気が引けた。現状、美希は到底動けそうにない。昨夜から高熱が続き、咳は止まらず、ずっと苦しそうに布団にくるまっている。昨日から口にしているものはスポーツドリンクとゼリーぐらいだ。そんな美希に、たとえ子供一人とはいえ一日中面倒を見るのは不可能だろう。一番の問題は食事だ。朝はいいとして、昼と夜。いちいち家に帰るのも面倒だ。残業で帰りも遅くなるだろうし、どうしたものか。
何の解決策も見つけられないまま家に着いた。とりあえず今は環奈の昼食だ。まあ朝作った幼稚園弁当があるからそれを食べさせればいい。よしっと気合を入れて玄関を開けた。「ただいまー」と環奈はどこか嬉しそうに家の中に入って行った。俺も靴を脱いで上がろうとして、ふと妙だと思った。玄関に並ぶ靴の数が、明らかに不自然だ。俺はスキップ気味にリビングに入っていく環奈を押しのけるように部屋に入った。そこで、「おかえりー」と、気のないの声に迎えられた。そこには、なぜか立ったままテレビゲームと対峙する花恋がいた。
「…花恋?学校は?」
「えっと、なんだっけ…あれ…」
花恋はレースカーと一体化したように体をくねくねさせながらまごまご答える。だけど最後の直線コースにさしかかると、「あっ、そうだそうだ」とぱっと顔を明るくして言った。
「今日から学級閉鎖」
何の解決策も見つけられないまま家に着いた。とりあえず今は環奈の昼食だ。まあ朝作った幼稚園弁当があるからそれを食べさせればいい。よしっと気合を入れて玄関を開けた。「ただいまー」と環奈はどこか嬉しそうに家の中に入って行った。俺も靴を脱いで上がろうとして、ふと妙だと思った。玄関に並ぶ靴の数が、明らかに不自然だ。俺はスキップ気味にリビングに入っていく環奈を押しのけるように部屋に入った。そこで、「おかえりー」と、気のないの声に迎えられた。そこには、なぜか立ったままテレビゲームと対峙する花恋がいた。
「…花恋?学校は?」
「えっと、なんだっけ…あれ…」
花恋はレースカーと一体化したように体をくねくねさせながらまごまご答える。だけど最後の直線コースにさしかかると、「あっ、そうだそうだ」とぱっと顔を明るくして言った。
「今日から学級閉鎖」