前は寝つきは悪いのに、寝起きは凄い良かった。

 今でも寝起きは抜群に良いのだが、寝付きも良くなってくれて何よりだ。

『夜空ちゃん、そろそろ寝よう?もう1時になるよ?』
『どうせ…起こすでしょう…?なんのために…寝るのよ…』

 寝ないのが当たり前、それでよくここまで身長が伸びたな。

 ほとんど見えない目をそっと触れてみる。

 度をいくら強くしても0.4が限界だって言ってたか。

 もう少し悪くなってしまえば弱視に分類されてしまう。

 もし、夜空が俺を見ることが出来なくなってしまったら。

 どれだけ辛く、悲しいか。

 俺は夜空(かのじょ)を花より蝶より優しく接するとあの時誓ったのだ。

 絶対に守ってみせる。

 枯らせたりしない。

 いつまでも綺麗な彼岸花で…