先に入った彼女は既にベッドにいる。

 母も父リビングに布団を敷いて寝るようだ。

「冬休み中は毎夜来てもいいかしら?」
「俺はいいけどよ、真昼は大丈夫なのか?」
「えぇ。冬休み中は彼氏さんも暇らしくて夜な夜なずっと通話してるのよ。」
「要は、夜空がこっちに来た方がお互いWinWinなのか。」
「そうゆうこと。」

 既に温かくなっている布団の中で抱き合う。

「私、男の人こんなに好きになったの初めてよ。初恋、って言うのかしら。今すごく幸せよ。」
「それ今言うことか?まあ、俺も幸せだな。残念ながら初恋じゃないんだけどな。」
「あら、小学生時代に好きな子がいたのね。」
「まぁな。ま、すぐ終わったし、今は顔も覚えてねぇよ。中学違くなって、連絡取ってなかったからな。」

 少し不安そうな顔をした。

「連絡…しないでね…?」
「なんだ?嫉妬か?」
「独占欲よ。」
「しねぇよ。つか、今どこで何してるかも知らん。」
「そう…」

 先程よりも強く抱きしめる。

「誰にも渡さないわ。」
「浮気したら」
「絶縁。」

 現実的なことに少しゾッとした。

 怖ぇな。

 俺自身するつもりはサラサラないのだが。

 いや、夜空なら「こ○す」とか言っても現実味があるな。

 そもそもしなきゃいい話なんだけどな。

「今更連絡することなんてねぇし、安心してくれ。」
「ならいいわ。眠くなってきちゃった…」
「結構遅いしな。おやすみ。」
「うん。おやすみなさい。」

 スースーと寝息を立て始める。