夜空and父作のアラビアータは美味しいのだが、今はそれどころじゃない。
「そういえば、さっき朝日さ、『夜空を守るのは俺だ!』って言ってたよね?なんで?」
「なんでって…彼女守ってこそ彼氏だろ?」
「うんうん。」
「母さんもそう思うわよ?」
聞いた張本人はフォークを落とす、口がぽかんと開く、目が見たことないほど開く、エトセトラ…
「えぇ!2人とも付き合ってんの!初耳なんだけど?!」
「今に始まったことじゃないわよ。」
「李月さん、言ってなかったのか。」
「だってめんどくさそうじゃない?大晦日一緒に寝たんでしょう?真昼の彼氏さん来てもらって。どう?進展した?」
李月は女子高生のように恋愛事情が大好きだ。
これもまた今に始まったことじゃない。
「グイグイいったのに、何も無かったわ。」
「初キスした…///!」
「ヒュっ…」
椅子から誰かさんが白目を剥いて倒れた。
「お父さん?!」
「ほっときましょう。それにしても、今の子は早いって聞くけど、朝日は慎重なのね。」
間違いないが、恥ずかしい。
「急くことじゃねぇだろ?」
「それもそうね。ま、カップル同士仲良くね。」
パチっと目が覚める人、一人。
急に立ち上がる。
「たとえ父でも!夜空のこと泣かせたら許さないからな…!」
「は、はぁ…」
「真昼の彼氏にも言っとけ…!うっううっ!」
李月の言う通りだった。
めんどくせぇ。