気がつくと朝で、隣に夜空の姿はなかった。

「…?夜空?」
「あら、起こしちゃった?」
「今…何時…?」
「もうすぐ8時よ。まだ寝てても」
「いや、起きる…おはよう。」

 おはよう、いつ何時も欠かさず言う言葉。

 夜空はもう起きて少し経っているようだ。

 コンタクトも入って、髪もセットしてある。

「2人は?」
「部屋でイチャイチャしてるわ。朝ごはんも2人で食べるって。」
「ふうん。夜空は?」
「朝日が起きるまで待ってようとしてたわ。お餅でいい?」
「あぁ、うん。」

 本日も朝から彼女を拝めて眼福だ。

 いつ見ても可愛いし、綺麗だ。

 今日も頑張れそう。

「磯辺焼きが好きだったわよね?あとみたらしと。」
「うん。夜空も好きだろ?」
「えぇ。お餅は私の数少ない甘味摂取食物だもの。」

 チョコもダメ、アイスもダメ、パンケーキもフレンチトーストもダメ。

 となると食えるのはおはぎとか、お餅・団子とかになるのか。

「もし、アレルギーがなかったら何が食べたい?」
「不思議な質問ね。アレルギーがなかったら…バターを引いたホントのフレンチトーストを食べたいわ。」

 いつもは牛乳じゃなくて豆乳で浸してるし、引くのは植物油だ。

「そっか。…なんかごめん。」
「大丈夫よ。…そうだ!今度行きたいって言ってたフレンチトースト専門店行きましょう?!」
「でも、そしたら夜空が」
「私も行きたいのよ!」

 嘘はついてないようだ。

 髪を耳にかけない。

「なら、行くか…!」
「楽しみ!」

 鼻歌が漏れる。

 相当だな。

 また、新しい宝石をみつけたようだ。

 その日真昼もいいことがあったようで、黄昏双子どちらも浮き足立っていた。