「にぃにぃ!!遊んでぇ!」
「もう、朝未(あさみ)…仕方ない、いいよぉ!」

 芝生を走り回る子供たち。

 彼らの可愛さに毎日やられている。

「パパも、ママも!」
「父さんが鬼ね!」

 結婚して五年、三十になった俺らには二人の子供に恵まれた。

 五歳の千夜(せんや)と二歳の朝未。

 千夜は母親似、朝未は俺似だ。

 彼女いわく、「朝未の笑顔は貴方そっくり」とのこと。

 そんなこと言ったら、千夜は夜空の生き写しだ。

 ただ、食に関しては真逆なんだがな。

「あ、お姉ちゃん!」
「遅いわよ、全く。」

 今日は照山家と公園に来ている。

 二人にも子供が二人。

 四歳の智晴(ちはる)と二歳の御宵(こよい)だ。

 幸いにも四人は仲がよく、否よすぎるくらいだ。

 物静かなで冷静な千夜によく話しかけては楽しそうな智晴。

 天真爛漫な朝未を追いかけては抑制する御宵。

 気が合うのならそれでいい。

「はぁ自由っていいわぁ!」
「急にどうした?」

 芝生に寝転がった。

「こう、子供たちが楽しそうなのを見ると、昔の自分を思い出すの。練習漬けの毎日、辛かった…」

 でも、今はとても幸せだと、彼女は微笑んだ。

「めっちゃ分かるなぁ。すごい気楽だよね。」
「えぇ。…朝日?私、子供たちのことを縛ることをしないわ。」

 したいことをさせてあげたいの、この言葉に彼女らしさを感じた。

「いいんじゃね。賛成だわ。」
「良かった。」

 子供が俺らを呼んでいる。

 走り回るチビたちの相手はなかなか疲れる。

 そして安心しきった顔で寝やがった。

「子供ってこんなに奔放なのね。」
「まぁ、それが子供だよねぇ。」

 久しぶりに俺らも会ったので、色々な話で盛り上がった。

 仕事、子育て、趣味…

 家事の文句が妻たちからボロボロ出てきて、とてもじゃないけど反省した。

 その日はそのままお開き。

 また会えたらいい…