その三日後、選抜当日。

 定期的にあるにも関わらず、志望者が大勢だった。

 チェロ志望者だけも、多い。

(だいぶ狭き門だな、これ……)

 ま、落とされる気はサラサラないが。

 受験といい留学経験といい、俺のメンタルはガッチガチだった。

「次ぃ、暁朝日さん。」
「はい!」

 面接と軽く演奏、約30分の試験だった。

 あとから戻った夜空も自信に満ちていた。

 俺の回も夜空の回も面接官に両親はいなかった。

 この選抜自体関わらないらしい。

 赤の他人から評価される。

 終わったからプレッシャーがかかった。

「俺ドキドキしてきた……」
「なんで今……」

 やれやれ、と呆れてる彼女。

 結果は2週間後だったはずだ。

 サラッと言おうか、合格だ。

 父さんが通知の後電話をかけてきた。

「なんかこう話すの久しぶりだな。」
『そうだね。合格おめでとう。よく頑張ったね。夜空にも言っておいてくれ。』
「わかった。」

 よしよし、と頭を撫でられた。

『これからよろしくね。』
「あぁ。よろしくお願い致します、団長。」
『ははは!堅いなぁ、もう。』

 ちょっと雑談した後、電話を切る。

「お義父さん?」
「あぁ、合格おめでとう、だってさ。」
「団長直々に……嬉しい限りね。」

 そうだな、と返すと軽いキスをする。