ある７月２１日、俺はウィーンに来ている。

「アサヒ！今年こそ一緒に回ってくれない？」
「っははは！はぁ。ごめんな、ジュディ。今年も予定があってな。」
「アサヒはほんとに彼女を大切にしてるな。」
「彼女さん、会ってみたい〜！！」

　ステージ出るけど見る？と誘ってみた。

　大盛りあがりのまま、ステージに向かう。

「さあさあ皆さん！！お次は日本から音楽院に合格した、美魔女フルーティスト！！ヨゾラ、タソガレ！！！」

　今年の音楽祭に夜空が呼ばれた。

　二曲ほど披露し、多くのファンを残し降壇した。

「朝日！！」

　人混みの中、俺を見つけては抱きついてくる。

　一年ぶりの彼女…友達そっちのけで夢中になる。

「アサヒ〜？仲いいのはいいけど、私達忘れないで〜」
「「っ////！！！」」

　メアリーの言葉にハッとした。

「彼女さん可愛いな！！よろしく、俺はジョン。」
「私はメアリーよ。」
「ジュディね！よろしく。」
「オリバーだ。」

　スラスラと英語で自己紹介する彼女に驚く四人。

　予想通りの反応に二人で笑った。

「それにしても、ヨゾラ凄いね！！」
「あんなに綺麗にフルート吹けるなんて…憧れちゃう！」
「ありがとう。」

　すぐに打ち解けて、ジョンなんて夜空を奪う気満々だった。

　のらりくらり躱されていたけれど…