午後五時を過ぎて真昼が一星と帰ってくる頃、すでにパーティの準備は終わっていた。

「ただいま!!ってお姉ちゃん顔赤くない?」
「な、何でもないわ///」
「ふぅん。そっっかぁ〜じゃあこれなぁに?」

 一同は気付いていた。

 肩の噛み跡と、血の跡に。

「こ、これは…///」
「ん?」
「お、狼に…噛まれたのよ…」

((((うん、知ってた。))))

 悪びれることなく、口笛を吹く者一人。

 ほんと欲張りな狼だ。

 一星はというと不服そうな顔を浮かべていた。

 我慢していたのに、朝日はやりたい放題したのが気に食うわないのだろう。

 ドンマイ先輩、と心の中で慰めた。

 そんなこんなあったが、パーティーは盛大に行った。

 好きな飲み物を飲んでは、食い散らかし、大人にはアルコールが入った。

 陽翔は弱いくせに呑むもんだから、あっという間に悪酔いした。

 一方の李月はかなり強いので、顔色変えず楽しんでいた。

「父さん!!寝るなら布団行け!!」
「むぅりぃ…」

 陽翔の餌食になったのは朝日だった。

「ほんと、やめろって!!」
「やだし。やぁだぁ!!ねぇ!りっちゃん!」
「はいはい、もう寝ましょうね〜」

 李月にほだされるがまま、布団にインした父だった。

「ははは!お義母さんはお酒強いんですね。」
「お義母さんだなんて!ふふ!」

 収集がつかなくなる前にお開きにしてしまおう。

「先輩!先風呂入っちゃってください!」
「ん?分かったぁ!」

 李月はほんとにお酒に強いので、止めなければずっと呑んでる。

「お母さんも、もう呑んじゃダメよ。」
「ん?まあそうね。今回も結構呑んじゃったわ。いやね、酔えないって。」

 ワイングラスに水を持ってくると、勢いよく飲み干した。

 ふう、と一息つくと陽翔の元へ行ってしまった。

「二人先入っちゃえよ?」
「分かったわ、ありがとう朝日。」
「ん。」