そういえば、楽しそうな反面何か物欲しそうだ。

 部屋に入り次第聞いてきた。

「ねぇ朝日?このコス似合うかしら?」
「ん?」

 やっぱりか。

 スカートの裾をつまんで、広げて見せる。

「もちろん、すげぇ可愛い…」
「ふぇっ…///!」

 一瞬にして顔を赤くする。

「なぁ?トリックオアトリート。」
「え…?」
「お菓子くんねぇとイタズラすんぞ。」

 俺はずっと我慢していた。

 イタズラしたくなるほど、可愛いのだ。

「えっ…私お菓子もってな」
「じゃあイタズラしていいよな?」
「っ///!」

 彼女の腕を掴んで、壁に押し付けた。

 外に出なくて良かった、と心の底から思った。

 こんなに可愛い彼女、誰にも見せたくない。

「俺さ、ずっと我慢してたんだわ。」
「ぇ…///?」
「何?分かってないの?肩まで出して、おいしそ…」

 首筋をなぞるように舌を這った。

「あっ…///」

 自然と出てしまった声と共に熱くなる体。

「ほんと、可愛すぎ…なぁ…?」

 舌で鎖骨を這っては、そのまま牙を突き刺した。

 狼男のように。

「いっ…!何するのよ!」
「イタズラ。まだまだやりたんないけど、まあいいや。ご馳走様、俺の赤ずきん。」
「っ〜〜〜///!」

 仕返しのように腹パンされ、そのまま逃げられてしまった。

 同時刻、僕は聞いてしまった。

『じゃあイタズラしてもいいよな?』
『っ///!』

「?!!!(真っ昼間から何してんの?!!!)」

 後ろから李月の視線が痛い。

 おおよそ「邪魔するな」ということだろう。

 女に逆らうのはもう懲り懲りだ。

 「……はい…」

 このあと二人がどうなったかは知らない。