「明日香も強がりね。私、知ってるわよ?貴女だって薫子を嫌いになりきれてないってこと。そうでしょう?」

 拍子抜けしたような顔をした後、ため息1つと頭を掻いた。

「あ〜もう!どうせなら隠し切ろうと思ったのに!」
「それは…どうゆう…」
「簡単よ、少し前かしら、コソッと明日香のスマホを拝見したの。そしたら、ちゃんとアルバムに分けてあってその中に『薫子との思い出』っていうのがあったのよ。」

 2人っきりの時はよく薫子の話題を出すし、と追い上げをかけた。

 明日香は耳まで赤くして夜空の背中をポコポコと叩いていた。

「明日香は少しツンデレな部分があるのよね。ね、薫子?」
「っ……」
「だって無理だし。私いきなり『親友じゃない』とか言われて、すぐ『はい、分かりました』なんて言えるほど出来てないから。」

 ズッ友って約束したじゃん、照れたまま手を伸べる。

 薫子が2人の手を取ると、そのまま引かれる。

「あら、明日香分かってるじゃない。」
「夜空こそ。」

 2人から抱きしめられる薫子。

「おかえりなさい、薫子。」
「待ってたよ、薫子。」
「ごめ、…な、さい…!うっ、ううっ、うわぁ〜〜ん!」

 硬い友情は壊されることは無かったようだ。

 ダイヤみたいに硬ぇようで何よりだ。

 学校ごとに集合するのに1回解散するようだ。

「おい!ちょっと待て。」
「貴方は…夜空の彼氏さん…」

 一つだけ言いたいことがあった。

 セミがうるさいくらいだが、負けない言霊を投げた。

「今度こそ夜空の友達でいろよな!傷つけたら、ぜってぇ許さねぇ!」
「っ!…約束する。」

 誓うように堂々した態度を見せた。