それから1週間、私は思い出巡りを続けていた。でも秘密基地以外の全ての所を探しても目的のものは見つからなかった。
残るは、あの秘密基地だけ……
でも、あそこには理樹が居そうで怖くて行けない。でも、私は明日帰る予定。
行くなら今日しかない。
おばあちゃんは心配するかもだけど、少しでもいる可能性の低い夜に行こう。


そして夜、おばあちゃんも寝静まってから、私はベッドからそーっと出た。
夜だから、動きやすい服に着替える。
あらかじめ着る服は決めておいた。
夏にぴったりのサラサラ生地のパジャマを脱ぎ、まず初めにスキニーを履いて、白のカットソーを着る。次にいつものネックレスをつけて小さめのリュックをからう。リュックの中身はあらかじめ用意していた。ちなみに中身は、懐中電灯や寒かった時の上着等々だ。最後に邪魔にならないよう髪をポニーテールにすれば完璧。
さぁ、行こうっ!思った時、
不意に鏡の中の私と目が合った。
心の声の割には、表情が怯えていてびっくりだ。そんなつもりはさらさら無いのに、本当は、やっぱり怖いらしい。
でも、行かなきゃ、
「大丈夫、できるよ。私はできる。きっと見つけられる。だから行こう。」
あれを見つければ私の中できっとなにか変わるはずなんだ。
そしてそーっと、ドアを開けた。
部屋の外は真っ暗だった。当たり前だけどおばあちゃんはもう寝ているらしい。起きる気配もない。それからもできるだけ音をたてないように気をつけながら、私は夜の家から抜け出した。