「これは?」
「N県にある屋敷に住んでいる人からの招待状。彼がいけないから代わりに参加してくれるかな?」
「いいんですか?新城宛なのに?」
「その件は彼に伝えてあるんだよ。そうしたら代わりに参加させるようにって頼まれてね」
「新城が了承しているなら……」
「悪いね」

謝罪する工藤先生。

「後は任せたよ」
「あ、あの!」

去ろうとした工藤先生を僕は呼び止める。

「なんだい?」
「新城は?体調が悪いんですか?」
「体調が悪いと言えば悪い……良いといえば良いよ」
「どういう、意味です?」

意味深な工藤先生の言葉の意味を尋ねるもひらひらと手を振られる。

「そういうことは本人に聞きなさい~」

追いかける間もなく去っていった工藤先生。
何もわからないまま、僕は手の中の封筒を持ったまま教室へ戻る。