「瀬戸さん、落ち着いて……キミも仲良くなりたいなら行動もそうだけど、まずはちゃんと伝えないといけないよ」
「伝える?」
「そう、二衣さんは瀬戸さんとどうなりたい?」
「……い」
「え?」
「…………たい」
「聞こえないわよ!言いたいことがあるならはっきりいえ!」

ぶつぶつと小さな声で聞き取れないものだから限界がきた瀬戸さんが叫ぶ。

「友達になりたい!!」

大声で叫んだ事で僕はびっくりしながらも瀬戸さんは満足した表情を浮かべる。

「よろしい!最初からそういえばいいのよ。アタシは瀬戸ユウリ、アンタの名前は?」
「……志我二衣」

差し出された瀬戸さんの手をおずおずと握りしめる二衣さん。
これでひとまずは落ち着いた感じかなぁ?

「セクハラの件はどこかで罪を償ってもらうから」

訂正、まだ怒っている。

「それが終わったらキスとか、ハグはオーケー?」
「……アンタ、それ、友達でやることじゃないわよ」
「?」

きょとんとしている二衣さん。
後でわかったことだけれど、彼女は友達作りのための勉強として百合系の漫画を読んでいた。
百合漫画(かなり過激なもの)を参考していたから、あんなセクハラ的な事をしていたらしい。
これで、瀬戸さんと二衣さんの問題は解決した。






「グッジョブ」

二人を部屋に置いて廊下にでた所で無表情だけれど、親指をピン!と立てている三衣ちゃんがいた。

「これでよかったの?」
「うん」

三衣ちゃんは頷く。

「いつも、ぬいぐるみに友達が欲しいって訴えて鬱陶しかったから」
「あ、そう」