どことなく嬉しそうに思える。
無表情の青鬼と接してきた事でなんとなくだけど、わかる気がした。

「それにしても、彼女はどうして瀬戸さんにちょっかいをかけるのかな?」
「……さぁ?考えていることはわかんない」

軽くジャンプして三衣ちゃんはベッドから降りる。

「朝食、案内するからついておいで」
「え、でも」
「私達は道を覚えているから良いけど、知らない人は迷うかも、地図もないし」
「地図なら、そこに……あれ!?」

机の上に置いている地図がなくなっていた。

「え、なんで」
「どうする?地図なしでいける?」
「…………もしかして、三衣ちゃん、地図を隠したりとか」
「知らない」
「目を」
「知らない」
「気のせいか、目が泳いで」
「おいていっていい?」
「ついてきます」

地図がない以上、彼女がいないと道に迷ってしまう。
僕の敗北は決定だった。

「よし、行こう。ジョージ。私の事は三衣様と呼んで」
「様付け!?」